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第36回東海高等学校バスケットボール新人大会が2月11日、12日、静岡県袋井市のエコパアリーナで開催された。女子の部でベスト4に進出したのは岐阜女子高校(岐阜1位)、桜花学園高校(愛知県1位)、星城高校(愛知県2位)、安城学園高校(愛知3位)。準決勝は安城学園と岐阜女子、星城と桜花学園が顔を合わせ、岐阜女子が85−51、桜花学園が97−38とそれぞれ快勝して、決勝にコマを進めた。
迎えた決勝戦、岐阜女子のスタート5は、昨年のウインターカップでも活躍した絈野夏海をはじめ、原田倫、林琴美、平山真穂、ジュフハディジャトゥ。一方の桜花学園は足のケガのために準決勝まで温存していた福王玲奈を先発に復帰、田中こころ、黒川心音、松本加恋、深津唯生ともに決勝に臨んだ。
しかし、後半に入ると岐阜女子はオールコートのディフェンスで起死回生を狙ってきた。特にボールマンに対してトラップを仕掛けると、桜花学園はターンオーバーを連発。試合の流れはディフェンスでリズムを取り戻した岐阜女子に移り、攻めてはエースの絈野を中心に外角からシュートをを仕掛け、点差をジリジリと縮めていく。
受け身になってしまった桜花学園は第4クォーターには松本、東小姫がファウルアウトして、さらに厳しい展開となる。それでも前半の貯金が効いて78−69で逃げ切り、勝利。昨年、インターハイ、ウインターカップを無冠で終えた高校バスケ界の女王が、新たにスタートしたチームでまず東海新人を制した。
桜花学園では深津が19得点、田中と福王が16得点、松本が14得点と2ケタ得点をマーク。一方の岐阜女子は絈野がゲームハイの36得点をゲット、控えの柴田緑が12得点を挙げるが、勝利に導くことはできなかった。
決勝で敗れたものの女王を慌てさせた岐阜女子の安江満夫コーチは「出だしが悪すぎました。構えすぎた面もあるし、経験の少なさが出てしまったのかもしれません」と試合を振り返った。それでも「最後は食らいついてくれた。次につながるゲームでした」と、手応えを感じたようだ。
「(エースの)絈野を止めに来ることはわかっていました」とコメントした安江コーチは、1年生をあえてコートに立たせるなど選手層を厚くすることを意識した起用も。スタートしたばかりの新チームについて、「目標を見据えてやってくれています。アジャストされたときの対応などまだまだ本物ではありませんが、伸びしろはある」と、敗れたとはいえ得たものは多かったと言えよう。
ただし、岐阜女子のスタイルは予定外だったようで、「もっと留学生のところで攻めてくるかと思ったが、3ポイントのチームになっていてびっくりした」とコメント。
「ターンオーバーが出ると、それが続いてしまう。トラップに来られたときのアウトナンバーの作り方を練習しなければいけない」と、2年ぶりのインターハイ制覇に向けて、自チームの課題を明確にした。
高校女子を長年リードする桜花学園と岐阜女子といっても、新人戦の段階では手応えよりも課題のほうが多い試合内容になるのは仕方ないところ。だからこそ、ここからどのようにチームが成長していくのか。逆にそれが楽しみになる決勝戦だったと言えるだろう。