2023.07.25

「覚悟を持ってここに」…東海大付属諏訪の小滝道仁コーチは母校を率いる熱き新指揮官

Wリーグで経験を積み、2022年に東海大学付属諏訪のACに就任。今シーズンからメインのコーチとして指揮を執る小滝道仁 [写真]=伊藤大允
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 新体制になった東海大学付属諏訪高校(長野県)が、7月25日に北海きたえーるで行われた阪南大学高校(大阪府)との「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」男子1回戦を93-63で圧勝した。

 東海大付属諏訪は同校を強豪に育て上げた入野貴幸コーチ(現東海大学アシスタントコーチ)が退任。小滝道仁コーチが今シーズンから新指揮官を務める。

 東海大学で学生コーチとして指導者のキャリアを始めた小滝コーチは、2009年に日立ハイテククーガーズのACに就任。富士通レッドウェーブ、秋田銀行で指揮官を務めた経験を持つ。2022年にACとして東海大附属諏訪に加わり、トップのコーチとして1年目を迎えているところだ。

「自分が教員をやるなら、母校しかないと思っていました。そこで話をもらえて、覚悟を持ってここに来させてもらいました。今は責任感が強いですね。責任を取るなら母校だけだと思っていましたから」

 高校生への指導に際し、「人間教育」も意識しているポイント。Wリーグを中心としたこれまでは「その時に幸せになってほしい練習」に取り組んできたというが、「この子たちにはこれから幸せになるための準備をしてあげなきゃいけない。年齢を重ねた時、『ここでこういうことを学んだ』と言えるようにやってあげたいと思います」と話した。

 37歳の指揮官は試合中、サイドラインのギリギリに立ち、声を出し続けて選手たちを鼓舞。好プレーには拍手を送り、熱血指導でチームを盛り立てた。

試合中も選手に寄り添って指示を与えた [写真]=伊藤大允

「僕にはそれしかできないですよ(笑)。自分に情熱がなかったら、選手にも情熱がなくなってしまうというか。打てば心に響くと思います。(プロでの)仕事だろうが、教員だろうがやることは変わりません。目の前にコートがあれば全力を尽くす。それは相手がいてくれてのことです。今日はいい相手で、おもしろいゲームをさせてもらいました」

 結果的には30点差がつく大勝だったものの、「フワッと入ってしまった」第3クォーターで1ケタ点差に詰め寄られる場面も。ただ、OB戦で意識づけられた「ディフェンス、リバウンド、ルーズボール」で耐え、勝利を手繰り寄せた。

 指揮官として全国での初勝利を手にした小滝コーチは、入野コーチが築き上げた東海大付属諏訪のスタイルを継承しつつ、自らの“色”を出すべく試行錯誤していく。

「入野先生が作ったものをもう一回体現してみようと考えていて。それを自分自身でわかった時、自分のものをもっと加えていけたらと思っています。今は自分自身も勉強していて、生徒たちがどうなっていくのか擦り合わせていきたいです」

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