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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。ここでは、ブロックごとに男子の部を展望する。
左上ブロックは、第1シードの開志国際高校(新潟県)が頭一つ抜け出している。同校は、2022年のウインターカップ優勝にも貢献したガード陣が経験豊富。司令塔を務める澤田竜馬(3年)、得点源の平良宗龍(2年)を軸に、本戦まで公式戦無敗を誇った。だが、前回の夏は最終盤で優勝がこぼれ落ち無念の2位。初戦から勢いをつけて昨年の忘れ物を取り戻したい。
開志国際の行く手を阻むのは、九州大会2位の延岡学園高校(宮崎県)を筆頭に、中部大学第一高校(愛知県)、尽誠学園高校(香川県)が候補に挙げられる。地元の大声援を味方につける東海大学付属札幌高校(北海道)にも注目だ。昨年から主力を務める山岸竜輔、藤岡真翔(ともに3年)がけん引する同校は、中部大第一との初戦が濃厚。ここを乗り越えれば、上位進出も現実味を帯びてくる。
次は右下のブロックを見ていこう。ここは2連覇を狙う福岡第一高校(福岡県)が抜け出しそうだ。今年の福岡第一は崎濱秀斗(3年)が絶対的存在として先頭に立つが、優勝へは総合力が問われる。山口瑛司、世戸陸翔らの同級生たちがエースをいかにサポートできるか。
とはいえ、他のチームも虎視眈々と上位進出を狙う。仙台大学附属明成高校(宮城県)vs土浦日本大学高校(茨城)は、接戦が予想される1回戦の注目カード。この勝者と対戦する豊浦高校(山口県)は、下級生の頃から経験を積むメンバーが3年生となった。例年以上に高さのある正智深谷高校(埼玉県)もおり、反対側のブロックは混戦模様だ。
右上ブロックを引っ張るのは、藤枝明誠高校(静岡県)と東山高校(京都府)だろう。藤枝明誠に赤間賢人(3年)、ボヌ ロードプリンス チノンソ(2年)という得点源がいるように、東山も佐藤友(3年)、瀬川琉久(2年)の得点力の高い2本柱を擁する。藤枝明誠は夏冬ともに4強入りした昨年の経験を生かし、対する東山は4年間溜め込んだ思いをぶつけたい。
初戦の注目カードは大阪学院大学高校(大坂府)vs北陸高校(福井県)、北海道と沖縄県代表が顔を合わせる駒澤大学附属苫小牧高校vs県立美来工科高校だ。また、羽黒高校(山形県)にはU19日本代表の小川瑛次郎(3年)が君臨。世代屈指のスコアラーが、トーナメントを掻き回すかにも注目だ。
最後は左下のブロック。ここは最も勝ち上がりが読めない激戦区となった。東北大会で優勝を飾った福島東稜高校(福島県)と関東王者の日本航空高校(山梨県)の初陣は、互いに一筋縄ではいかないだろう。
岐阜県代表の美濃加茂高校も侮れない。同校は、東海大会決勝で藤枝明誠と延長戦までもつれた激闘を繰り広げた。キャプテンでオールラウンダーの北條彪之介(3年)とセンターのエブナ フェイバー(2年)が攻守を要を担い、3ポイントシュートを得意とする遠山広貴(3年)もキーマンの1人。高さを生かして北陸学院高校(石川県)との1回戦を勝ち抜き、一歩ずつベスト4までの階段を上がりたい。
今大会は一般観客の来場と“声援”も解禁され、メイン会場の北海きたえーるを中心に大きな盛り上がりを見せるだろう。北海道を最も熱くするのは、果たしてどのチームか。
文=小沼克年