2023.07.24

【インターハイ男子注目チーム】福岡第一「自慢のディフェンスに磨きをかけてライバルに挑む」

大会2連覇を目指す福岡第一 [写真]=佐々木啓次
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目チームをピックアップした。

取材・文=入江美紀雄
写真=佐々木啓次

■劇的勝利から1年…大会2連覇に挑戦

 決勝戦の第4クォーター、残り時間5秒、絶対的司令塔の轟琉維(東海大学1年)からボールを託されたのが崎濱秀斗(3年)。直後、崎濱は右コーナーから迷うことなく3ポイントシュート放つ。コート、ベンチ、観客と、その場にいた誰もが固唾をのんで見守ったそのボールは放物線を描いてネットを揺らした。

 この瞬間、福岡第一高校(福岡県)が77−76で開志国際高校(新潟県)に勝利。「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)男子の部」において、3年ぶり4度目の優勝を果たした。そして、この夏、福岡第一は大会2連覇を目指すべく、北海道札幌市に降り立つ。

 今年のチームを支えるのが崎濱秀斗と山口瑛司(3年)のダブルキャプテン。伝統の2ガードを形成し、主に山口がパスをさばいて崎濱がシュートを決める2人は、中学時代からチームメートで、互いに「何も話さなくても相手が何をしたいのかがわかります」と、コンビネーションは抜群だ。

 さらに確率の高い3ポイントが武器のシューターの森田空翔、ゴール下の得点源となる世戸陸翔(ともに3年)、リバウンドだけでなくルーズボールにも意欲的なサー シェッハ(2年)とシー ムサ(1年)が主力を務める。加えて、一度コートに立つとリングからリングへ、攻防においてとにかく走り回る高口陽季(3年)、怒られることも多いが伸び盛りの崎濱秀寿など控えの層も厚く、今年も優勝候補の一角と言うことができるだろう。

運動量の多い世戸陸翔のプレーにも注目 [写真]=佐々木啓次


 今年のチームもプレッシャーの高いマンツーマンディフェンスを軸に、機を見てオールコートの激しいゾーンプレスで畳み掛ける戦術を得意とする福岡第一。しかし、インターハイ開催を1週間後に控えた中、崎濱秀斗は「このチームは失点を多いので、ディフェンスを詰めているところ」と話す。井手口孝コーチも「間に合うかな」とつぶやくが、自身の武器にさらに磨きをかけて本番に臨む意向だ。

「新チームになって一度も勝てていない」と、“打倒”開志国際に燃えるのは指揮官も選手も同様。ともに勝ち上がれば、2年連続決勝で顔を合わせることになるが、ディフェンスを鍛え直した福岡第一が開志国際自慢のオフェンスをどう抑えるのか。決勝戦は7月30日、北海きたえーるで行われることになっている。

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