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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目チームをピックアップした。
取材・文=田島早苗
写真=伊藤大允
6月の「第70回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」で初めて準優勝を果たした浜松開誠館高校(静岡県)。中でも準決勝は岐阜女子高校(岐阜県)は57ー56と大接戦を制しての勝利だった。
その試合、第3クォーターを終えて6点のビハインド。それでも、「悪いなりにもついていけていたので、チャンスがあるかなと思っていました」(浜松開誠館、三島正敬コーチ)というように、第4クォーターでは山本さくら(2年)の3ポイントシュートなどでジリジリと追い上げると、残り27秒には後藤音羽(2年)がリバウンドシュートからバスケットカウント。フリースローもしっかり沈めて1点差とした。その後、岐阜女子から奪ったボールを最後は山本が決めて逆転。残り13.9秒の岐阜女子の攻撃も防ぎ、歓喜の瞬間を迎えた。
岐阜女子戦で両チーム最多の19得点を挙げた178センチの後藤(2年)はチームのポイントゲッター。3ポイントシュートやドライブと、オールラウンドに得点を奪うスモールフォワードだが、岐阜女子戦でも見せたようにリバウンドでの貢献も大きかった。「たとえシュートを落としても、その後にリバウンドをいくようになりました」と、三島コーチも後藤の成長をこう語る。これには、「1対1で崩してからの得点だけではなく、リバウンドシュートも2点だし、バスケットカウントなら3点にもなる。そこをもう少しやれるようにならないといけないよ」という指揮官のアドバイスもあったよう。三島コーチは、さらにこう続けた。「U16女子代表ではエースというわけではないので、泥臭いプレーもできるようにすれば、プラスアルファの点が増えるという話もしていました」
後藤は、7月10日〜16日の期間で開催された「FIBAU16女子アジア選手権大会2023」(ヨルダン)のU16女子日本代表メンバー。大会でもスターターを担い準優勝に輝いた。東海大会やアジア選手権で見せたリバウンドは、インターハイでも必ずやチームの勝利へと導くだろう。
その後藤とともにインサイドを担う中老小雪(3年)も、リバウンドなど献身的なプレーを見せる選手。体を張ったディフェンスなど、数字に表れないところでの働きも大きい。
「インターハイではタフな戦いが続きますし、試合も接戦になると思います。そうなったときにどこが勝負所か、どこを守って、どこで点をとるのかという意思疎通をできるかどうか。コーチと選手の考えが一致していることはもちろん、選手たちでコミュニケーションを取って話せるようになることが必要だと思います」と、インターハイに向けて抱負を語った三島コーチ。
桜花学園高校(愛知県)や岐阜女子がリードする東海エリアで、もまれながらも着実に力をつけてきた浜松開誠館。インターハイではベスト16が最高成績。それを越えるだけの戦力がそろっているだけに、今年の夏はチームにとっても飛躍の夏としたい。