2023.06.20

東海大会の女子は、危なげない戦いで桜花学園が2年連続34回目の優勝

インターハイでの活躍にも期待がかかる桜花学園 [写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

■地元の浜松開誠館が初の決勝進出

 6月17、18日と2日間にわたり、「第70回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」が静岡県の浜松アリーナにて開催された。

 女子は、初日の1、2回戦を終えて桜花学園高校(愛知県)、浜松開誠館高校(静岡県)、岐阜女子高校(岐阜県)、星城高校(愛知県)の4チームが準決勝へと勝ち進んだ。

〝愛知対決〟となった桜花学園と星城の準決勝は、第1クォーターで19-6と先行した桜花学園が、その後も攻撃の手を緩めずリードを広げていく。ディフェンスでも星城を圧倒し、そのまま96-28で大勝。決勝へとコマを進めた。

 桜花学園に敗れたものの、2回戦では接戦を勝利してベスト4入りとなった星城の鷲野鋭久コーチは、「次につながるいい経験になりました。」と、コメント。昨年より星城で指導することになった鷲野コーチは、2013年に山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)らを擁して藤浪中学校(愛知県)を日本一に導いた指揮官でもある。常勝・桜花学園との対戦に、「上のレベルと戦うには、ごまかしは効かない。視野と伴ったファンダメンタルが必要だと再確認しました」と、大会を振り返っていた。

ベスト4進出に貢献した星城の森谷名結 [写真]=伊藤大允


 もう一つの準決勝、浜松開誠館と岐阜女子は終盤までもつれる展開となる。試合は、第2クォーター途中で抜け出した岐阜女子が第3クォーターでも中盤に連続得点を挙げて50-44とリードする。

 しかし第4クォーター、追いかける浜松開誠館は、序盤に岐阜女に得点を許したものの、山本さくら(年)の3ポイントシュートや中老小雪(3年)のバスケットカウントなどで対抗。すると残り27秒、浜松開誠館は、後藤音羽(2年)がリバウンドシュートでバスケットカウントを奪うと、フリースローもしっかり沈めて1点差とする。その後、岐阜女子からボールを奪うと山本がこぼれ球を沈めて57ー56と逆転に成功した。残り13秒でも、岐阜女子の攻撃を防いだ浜松開誠館は、地元開催でうれしい決勝進出となった。

 岐阜女子との準決勝に懸けていたという浜松開誠館の三島正敬コーチは、「ずっと岐阜女子さんについていくことができたので、最後にチャンスがあるかなと思っていました。(試合終盤に選手が)集中していましたね」と、選手たちの頑張りを称えていた。

 一方、「攻めきれませんでした。力がなかったと思います」と語ったのは岐阜女子の安江満夫コーチ。ただ、インターハイに向けては「約1カ月、時間があるので、もう一度作り直したいです」と、気持ちを新たにしていた。

しなやかな身のこなしで得点を挙げる岐阜女子の平山 [写真]=伊藤大允

■チームディフェンスを整備した“女王”桜花学園が優勝

 桜花学園と浜松開誠館との決勝戦。第1クォーターこそ山本さくら(2年)、蔀桃菜(3年)らで得点を挙げて11ー12と桜花学園に食らいついた浜松開誠館だが、第2クォーター以降は苦しい展開となる。

 対する桜花学園は、田中こころ、松本加恋(ともに3年)らが攻め立て、前半を終えて43-22と一気に点差を広げる。後半に入ってもインサイドとアウトサイドがバランスよく攻めた桜花学園が78ー43で快勝し、2年連続34回目の優勝を飾った。

オールラウンドに攻める桜花学園の松本 [写真]=伊藤大允


「チームディフェンスを練習してきましたが、そこに関してはよかったかなと思います」と、桜花学園の長門明日香コーチ。ブロック大会を優勝すると、その都道府県にはウインターカップの出場枠が一つ増えるため、「愛知県の枠が増えたことは大きいです」と、コメント。さらには「愛知のみなさんに感謝しているので、愛知のために頑張りたいです」と、インターハイに向けても抱負を語っていた。

 高レベルの戦いを見せた東海大会。インターハイ出場チームはここから1カ月。全国大会に向けてさらにギアを上げていく。

浜松開誠館の中老はリバウンドや得点などで準優勝に貢献した [写真]=伊藤大允


取材・文=田島早苗
写真=伊藤大允

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