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6月17日と18日、福井県で「令和5年度 北信越高等学校体育大会 バスケットボール競技会」が開催。男女計32チームが福井県営体育館、福井市体育館を舞台に頂点を争ったトーナメントの女子の部は、鵬学園高校(石川県3位)が大会連覇を達成した。
初日の注目カードは準々決勝の開志国際高校(新潟県1位)vs津幡高校(石川県2位)。両チームは2月に行われた北信越新人大会の決勝で対戦しており、その際は開志国際に軍配が上がった。しかし、今回の対決はコンスタントに3ポイントシュートを決め続けた津幡が90-79で勝利。同校は6月4日に行われたインターハイの県予選決勝で日本航空高校石川(石川県1位)に敗れ、開志国際へのリベンジだけでなく、夏の全国を逃した悔しさを今大会にぶつけてきた。指揮を執る東山耕平コーチは言う。
「新人戦のリベンジもありましたけど、やっぱり選手たちには『石川県で負けた悔しさをこれからどう生かすのか』ということを要求しました。冬のウインターカップを目指すうえではこの北信越大会も大事ですし、新人戦で負けている相手にも勝ちたかった。その強い気持ちをちゃんと選手たちが作って試合に臨んでくれました。明日は県内での悔しさを晴らして、できることならもう1回、日本航空さんにチャレンジしたいです」
しかし大会2日目、津幡は日本航空石川へのリベンジはおろか、決勝戦での対戦すら叶わなかった。行く手を阻んだのは、同県のもう1つのライバルである鵬学園。準決勝で相まみえた両者は第1クォーターで19-7と鵬学園が主導権を握ると、終始リードを保って最終スコア72-60で津幡を退けた。
迎えた決勝戦は、鵬学園と日本航空石川による石川勢同士の対決。鵬学園は最初の10分間で3点リードしたものの、第2クォーターでは193センチのヌドゥブエゼ オニニエチ グレイス(2年)がファウルトラブルに陥ってしまう。すると、同クォーターを13-22とされて逆転を許し、6点ビハインドで試合を折り返した。
後半はチームの柱である片岸風花(3年)を中心に食らいつくと、第3クォーター終了間際には片岸が3ポイントのブザービーターを沈めて51-53。鵬学園はその後も勢いに乗り、一時リードを8点にまで広げた。だが、終盤は日本航空石川の反撃に遭い、試合終了残り1分を切った時点でリードはわずか「2」。それでも鵬学園は、同17秒に片岸が決定打となる3ポイントを決め、73-68で試合終了のブザーが鳴った。
「今大会は連覇することよりも、優勝すると石川県にウインターカップの出場枠が1つ増えるので、インターハイ予選で負けてからはそれを必ず自分たちで掴み取ることを目標にしてきました」
本間遼太郎コーチが言うように、鵬学園もインターハイ出場を逃した悔しさ、冬での巻き返しを見据えて今大会に乗り込んできた。指揮官は今後に向け、「これからも津幡さん、日本航空さんなど石川県内のライバルがたくさんいますので、 そこに負けないように武器であるディフェンスやリバウンドの部分を夏の間に磨き上げていきたいなと思います」と、さらなるチーム力向上を目指す。
3位決定戦では津幡が足羽高校(福井県1位)との接戦を75-71で制したため、上位3チームを石川県勢が占めた。2つに増えたウインターカップ出場権争いも熾烈を極めそうだが、今夏のインターハイには創部10年目で初めて県内を制した日本航空石川が出場する。北信越優勝には届かなかったものの、チームを指揮する橋田幸華コーチは「次に繋がるいい経験になりました」と述べ、初のインターハイを見据えた。
「初出場なので、その中でも自分たちがやりたいことを大舞台でも発揮できるのか、全国の常連校と呼ばれるチームと対戦した時にどれだけ自分たちが通用するのかを体感できればなと。それが選手たちにとっていい経験なるので、1つでも2つでもいい試合ができるように頑張りたいです」
取材・文・写真=小沼克年