2023.06.12

角と坂口の2本柱が起点となった千葉経済大学附属が関東大会女子を制する

攻防においてタフな動きで関東を制した千葉経済大学附属 [写真]=田島早苗
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 6月10と11日にわたって行われた「令和5年度 関東高等学校女子バスケットボール大会 第77回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会」(小瀬スポーツ公園体育館ほか)。各都県の予選大会で上位チームが集まるAブロックでは、千葉経済大学附属高校(千葉県)、土浦日本大学高校(茨城県)、明星学園高校(東京都)、昭和学院高校(千葉県)がベスト4へと勝ち上がった。

 千葉経済大学附属と明星学園との準決勝、出だしで主導権を握ったのは千葉経済大学附属。第1クォーターで28ー7とリードを奪うと、その点差を保ちながら試合を進めていく。第4クォーターこそ明星学園に30点を奪われたものの、それまでのリードを守り切り、80ー63で勝負を決した。

 敗れた明星学園は、中島つぐみ(3年)が14得点、高橋京香(3年)が15得点と気を吐いたが、3ポイントシュートが思うように枠を捉えず。今春より指揮を執る楠田香穂里コーチも、「シュートが入らなかったですね。外角シュートを強化していきたいです」と、今後に向けての課題を語っていた。

ベスト4進出となった明星学園(写真は中島) [写真]=田島早苗


 もう一つの準決勝、土浦日本大と昭和学院との一戦は、序盤から接戦の様相に。それでも、前半を5点リードで終えた土浦日本大学が第3クォーターではさらに点差を広げる。第4クォーターには昭和学院の殖栗佳穂(3年)に粘られた場面もあったが、終盤の苦しい場面で岡﨑真依(3年)がシュートを沈めて勝負あり。土浦日本大学が57ー48で昭和学院を振り切った。

「ディフェンスより、自分たちのオフェンスに問題がありました」と試合を振り返ったのは、昭和学院の鈴木親光コーチ。ただ、関東大会での3試合で得た課題は明確のようで、「それを修正して臨みたいです」と、すぐに始まるインターハイ県予選に向けて意気込んでいた。

準決勝では21得点と奮起した昭和学院の殖栗 [写真]=田島早苗


 迎えた決勝戦、スタートダッシュに成功したのは千葉経済大学附属。インサイドの柱である角陽菜多と、オフェンスの要であるガードの坂口彩花(ともに3年)を中心に得点を重ねていく。第2クォーターには中盤から連続得点で土浦日本大学を引き離すと、前半は34ー19と大差を付けた。

 しかし、後半に入ると土浦日本大学も岡﨑や飯田苺、川崎明(ともに3年)らで加点し、じりじりと追い上げていく。だが、ここでも角と坂口が立ちはだかった千葉経済大学附属が隙を与えず。メンディー シアラ(2年)の奮闘などでリバウンドでも優位に立った千葉経済大学附属は、最後は69ー52で優勝を飾った。

 これで千葉経済大学附属は昨年に続いて2連覇に。前回は新型コロナウイルス感染症の予防のために決勝戦は行わず、準決勝を勝利した2校が優勝だったため、決勝戦を制しての優勝はまた格別なものとなったようだ。

ケガから復帰間もない中、得点源としての働きを見せた千葉経済大学附属の角 [写真]=田島早苗


 だが、新・関東女王の千葉経済大学附属も、関東大会の千葉県予選では2位と昭和学院に負けているため、うかうかもしていられない。今週末の17日から始まるインターハイの県予選に向けては、「(関東大会予選では(昭和学院の)上手さに負けてしまいました。私たちはチャレンジする側だと思っています」と、池端直樹コーチは気を引き締め直す。プレーに関しても「もう少しブレイクを出したいですね」と、語った。

 一方、「厳しいゲームの4試合目ということは分かっていながら、疲れからか人任せになってる部分が目立ちました。相手はメンタル的なタフネスのあるチーム。そこでの差が顕著に表れた試合だったと思います」と、決勝戦についてコメントしたのは、準優勝の土浦日本大学・川満有紀コーチ。千葉県同様に今週末から始まるインターハイ県予選に対しては、「オフェンスで得点が止まってしまう時間帯があるので、その原因を修正していきたいです」と、発した。

土浦日本大学の岡﨑は、キャプテンとして、またエースとして勝負強さを発揮した [写真]=田島早苗


 関東の7都県は、これからインターハイ予選の佳境に入る。どのチームも、関東大会で得た課題や収穫をもとに、夏の全国出場に向けてのラストスパートとなる。

取材・文・写真=田島早苗

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