Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目チームをピックアップした。
取材・文=田島早苗
写真=奥田晃介
「スーパースターはいないけど、スーパーチームです」
2021年の夏、東京オリンピックで銀メダルを獲得した女子日本代表を当時の指揮官であったトム・ホーバスヘッドコーチはこのように語った。
今年、1985年以来のインターハイ制覇を狙う大阪薫英女学院高校(大阪府)は、そのホーバス氏の言葉を思い出させるようなチームだ。
昨年までは都野七海(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)が文字通りスーパースターとして君臨。158センチながら多彩な攻撃で得点を量産し、ディフェンスでもチームを引っ張った。その都野、また都野に続く得点源の熊谷のどか(大阪人間科学大学1年)らが卒業した今年は、都野に匹敵するような選手は不在だが、コート上の5人がバランスよく得点を挙げていくのが特長だ。
得点源を担うのは島袋椛(3年)で、1年生の頃からスターターを担っており、キャリアもあるオールラウンダー。そして双子の木本桜子と桃子(いずれも3年)はミドルシュートなどで加勢し、175センチのシューター松本莉緒奈(3年)や1年生の三輪美良々もリバウンドや速攻などマルチなプレーを見せる。そしてこの5人に加えて、スピードが持ち味の岩井萌(2年)やディフェンスに定評のある吉田華子(3年)がバックアップメンバーとして奮起。昨年同様、得点力の高いチームに対しても『点を入れられたら入れ返す』スタイルだが、「今年のチームは5、6人が入れ返すことができる」と、安藤香織コーチは言う。
キャプテンの桜子、そして桃子を中心に、今年はスタートであろうと控え選手であろうと「意見を言い合う雰囲気がある」と、島袋はいう。「ユニフォームを着れない選手もいるので、着ている人はしっかりと責任持ってプレーしようという話し合いもしています」とは桜子。そのキャプテンについて安藤コーチも、「チームのことを考えながらリーダーシップを発揮していて、コート上でもよくコミュニケーションを取っています」と評する。そんな頼もしいリーダーがけん引するチームが目指すのはもちろん優勝だ。
スーパースターは不在。だが、3年生を中心に作り上げてきた“チーム力”を携え、大阪薫英女学院は、決戦の地となる北海道へ乗り込む。