2023.06.27

大阪薫英女学院が昨年の夏冬の全国覇者・京都精華学園を倒して近畿大会2連覇

大接戦をものにした大阪薫英女学院 [写真]=奥田晃介
フリーライター

■新人大会に続いてで京都精華と大阪薫英が決勝進出

 劇的な勝利で大阪薫英女学院高校(大阪府)が近畿大会2連覇を達成した。

 6月23日〜25日の期間で行われた「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」。女子は前回覇者の大阪薫英女学院、京都精華学園高校(京都府)、三田松聖高校(兵庫県)、大阪桐蔭高校(大阪府)がベスト4へ進出した。中でも、三田松聖は、準々決勝ではブザービーターでの劇的勝利の末の4強入りとなった。

チームの中心を担う三田松聖の竹中 [写真]=奥田晃介


 その三田松聖は準決勝で大阪薫英女学院と対戦。しかし、出だしから怒とうの攻撃に遭うと、オフェンスでも相手ディフェンスに抑えられてしまい、思うように得点を挙げることができない。竹中凛(3年)、渡部陽美(2年)らが気を吐いたものの、最後は51ー103で敗れた。負けはしたものの初のベスト4となった三田松聖の初谷洋志コーチは、「セカンドチャンスからの得点が多く、リバウンドのところは成功したと思いますし、セカンドユニットも成功体験を積めたと思います」と、大会を振り返った。

 もう一つの京都精華学園と大阪桐蔭の準決勝は、昨年のインターハイとウインターカップ優勝メンバーが多く残る京都精華学園に対して、大阪桐蔭が激しいディフェンスを軸に食らいついていく。しかし徐々に点差を広げられると、一歩及ばず、58-81で敗戦となった。4月から大阪桐蔭の指揮を執る市川藤乃コーチは、春からここまでを「3年生を中心に意識高く取り組んでくれています」という。さらにインターハイに向けては、「状況判断とチームで戦うこと」の精度を上げていきたいと語っていた。

大阪桐蔭をリードした小池織寧 [写真]=奥田晃介

■粘り強く戦った大阪薫英が逆転勝ち

 3年連続での顔合わせとなった大阪薫英女学院と京都精華学園の決勝戦。これまでも幾度となく全国大会や近畿大会で熱戦を繰り広げてきた両チームだが、今年は2月の近畿新人大会では103ー68と京都精華学園が快勝していた。

 だがこの試合は開始早々に大阪薫英女学院が主導権を握る展開に。大阪薫英女学院は幸先よく3連続でシュートを決めると、その後も島袋椛(3年)、岩井萌(2年)らで畳み掛け、第1クォーターで10点のリードを奪う。第2クォーターに追いつかれて前半は33ー33の同点で終了したものの、後半の出だしにも島袋が連続得点を挙げて、再び大阪薫英女学院が先行する。

キャプテンシーを発揮してチームを引っ張った大阪薫英女学院の木本桜子 [写真]=奥田晃介


 それでも、京都精華学園もここからディマロ ジェシカ(3年)にボールを集めてインサイドプレーで加点。第3クォーターを終えて逆転に成功すると、第4クォーターの出だしにも桃井優(2年)のバスケットカウントのシュートが決まり、7点にリードを広げた。

 このまま逃げ切り体制に入りたい京都精華学園。だが、粘る大阪薫英女学院は、木本桜子と木本桃子(いずれも3年)が勝負強くシュートをねじ込んでいくと、残り4分を切って京都精華学園に追いつく。そこからは、どちらもわずかなチャンスでシュートを沈めて互いに譲らない。そのまま時間が過ぎていったが、残り33秒、大阪薫英女学院は木本桜子がフリースローを2本沈めて2点のリードを奪う。その後の京都精華学園の攻撃も防いだ大阪薫英女学院は、最後に木本桃子のフリースローも決まり、73-70で歓喜の優勝を飾った。

 2月の近畿新人では勝っていることから「どこかに安心感があり、それがディフェンスに出てしまいました」と、京都精華学園の山本綱義コーチ。さらに「こういう試合ではターンオーバーで流れが変わってしまう」とも語った。

京都精華学園のディマロ ジェシカは決勝では31得点を奪取 [写真]=奥田晃介


 一方、優勝を決めた大阪薫英女学院の安藤香織コーチは、喜びにわく選手たちの横で、「よく頑張りました。相手にやられても取り返してくれました」と、コメント。チーム力での勝利と選手たちを称えていた。この勝利により、大阪薫英女学院は、北海道で行われるインターハイを第1シードで臨むこととなる。

試合終了の瞬間、喜びを爆発させた大阪薫英のメンバー [写真]=奥田晃介


取材・文=田島早苗
写真=奥田晃介