2023.06.20

福岡対決を制した精華女子が県予選に続いて九州大会も4年ぶりの優勝

インターハイでも上位進出を目指す精華女子が優勝 [写真]=佐々木啓次
バスケットボールキング編集部

■決勝戦は勝利の行方がわからないスリリングな展開

 6月17日・18日、福岡市総合体育館(照葉積水ハウスアリーナ)とアクシオン福岡で「第76回全九州高等学校体育大会バスケットボール競技大会」が開催。九州・沖縄8県のインターハイ予選の1位と2位、男女32チームが集結し、熱戦を繰り広げた。

 2日目に行われた女子準決勝では福岡県1位の精華女子高校と宮崎県1位の小林高校が顔を合わせた。試合開始直後から小林のオールコートプレスや早い攻めに手を焼いた精華女子は、前半で20−26とリードを許す展開に。第3クォーターに入ってもなかなか引き離せなかったが、第4クォーターに入ると、疲れが見える小林に対し、精華女子は米森奈々心(2年)の3ポイントシュートやアキンデーレ タイウォ・イダヤット(1年)のゴール下でスパート。4分もの間に19点ものリードを奪って引き離し、決勝進出を果たした。

小林の脚を活かしたディフェンスが精華女子を苦しめた [写真]=佐々木啓次


 もう一方の準決勝では、熊本県1位の慶誠高校と福岡県2位の東海大学付属福岡高校が対戦。この試合も前半は一進一退の展開となるが、第3クォーターに東海大福岡が浜口さくら(3年)の3ポイントで突き放し、45−35と2ケタリードを奪って第4クォーターへ。諦めない慶誠はここでも粘りを見せて猛追するが、最後は東海大福岡が58−53で勝利した。

慶誠のベスト4進出に貢献した岸希 [写真]=佐々木啓次


 決勝に勝ち上がったのは地元の精華女子と東海大福岡。県予選決勝のリマッチの実現だ。この試合、先行したのは精華女子。米森の2本の3ポイントシュートを皮切りに、アキンデーレ タイウォ・イダヤットのオフェンスリバウンド、樋渡梨桜(3年)のジャンプシュートで10−0のランを見せて、主導権を握ったかに見えた。

 しかし、東海大福岡は慌てなかった。オールコートのプレスからのゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスを状況に応じて繰り出して精華女子の得点を止めると、浜口(さ)のドライブや境さくら(3年)がスティールから速攻で対抗。前半を35−36の1点差で折り返した。

東海大福岡の得点源、浜口さくら [写真]=佐々木啓次


 後半に入るとスピードに乗った攻撃を仕掛けた東海大福岡がリードを広げていく。第4クォーター開始直後、浜口(さ)がバスカン、さらに境がシュートを決めると、63−52と2ケタリードを奪った。ここから精華女子が息を吹き返す。米森が立て続けに3ポイントを決めると、谷千優(3年)も負けじとオフェンスリバウンドをねじ込みバスカン。さらにはアキンデーレ タイウォ・イダヤットも続いてジリジリと点差を縮めていく。守っては終盤の4分間、東海大福岡の得点をシャットアウト。残り38秒、アキンデーレ タイウォ・イダヤットのゴール下で72−70と逆転すると、最後もシュートを決めて74−72で勝利。4年ぶりに九州の頂点に立った精華女子がこちらも4年ぶりのインターハイ制覇に華を添えた。

■インターハイに向けて「基礎体力を鍛え直す」

 試合後、メディア対応を行った精華女子の大上晴司コーチは、「(東海大福岡との)インターハイ決勝はうまくいきすぎた感じもあって。最後詰められたので、今日はその反省を持って試合に入りました」とコメント。それもあり、スタートダッシュに成功はしたものの、「最終日の2試合目ということもあって、1年生の留学生は疲れもありました。最後は自分たちがやってきた強みを思い出して、『リングに向かっていけ』と指示をしました」と振り返った。

 大上コーチの指示が奏功して逆転勝ちにつながったとも言えるが、「米森が立て続けに3ポイントを決めてくれて、ボタンを押せたと思います。最後のプレーは『絶対に負けないぞ』という気合でした」と笑顔を見せた。

 福岡県勢が2校決勝に進出した時点で、ウインターカップの出場枠が福岡県に付与された。「それは絶対条件だったので、ホッとしてます」と大上コーチ。インターハイに向けては、「体力面に課題があるので、基礎体力を鍛え直して臨みたいと思います」と、来るべき本番に向けて枚を向いた。

精華女子の大上コーチは「米森のシュートがスイッチを押してくれた」と評価 [写真]=佐々木啓次


取材・文=入江美紀雄
写真=佐々木啓次

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