2023.11.17

開志国際、トップリーグ全勝優勝目指す…主将の澤田竜馬が語る難敵・福岡大附属大濠戦のポイント

澤田が率いる開志国際は全国の強豪校を次々と下し、6連勝で大会最終戦を迎える [写真提供]= U18日清食品リーグ
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 優勝候補の大本命として臨んだ「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」では、ベスト4で涙をのんだ。連覇のかかる「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」で何としても頂点に立つため、開志国際高校(新潟県)は「U18日清食品トップリーグ2023」をとおしてさらなる強化を図っている。

「インターハイの準決勝で負けてしまったのは、やっぱりディフェンスが甘くてリバウンドを多く取られましたし、そこから失点したことが原因だったと思います。なので、インターハイが終わってからはその点を重視してしっかり練習しています」

 そう話すのは、キャプテンとしてチームをまとめる澤田竜馬だ。司令塔としてコートに立つ澤田は、アシストだけでなく得意の3ポイントシュートでも攻撃を引っ張り、今まで以上にペイントアタックを増やしてプレーの幅を広げているという。

 開志国際は初のトップリーグ参戦ながら開幕から負けなし。初代王者の福岡第一高校や前回大会2位の福岡大学附属大濠高校(ともに福岡県)を抑えて首位に立つ。

 全勝同士の対決となった11月11日の東山高校(京都府)戦では、「出だしが悪くなってしまった」(澤田)と第1クォーターで12-25とビハインドを背負った。だが、第2クォーターに入ると澤田が3ポイント、スティール、アシストをマークして徐々に追い上げ、8点差で前半終了。第3クォーター中盤からはベンチスタートの中島遙希と清水脩真が躍動して試合をひっくり返し、86-81で逆転勝利を収めた。

連覇を目指すウインターカップへ弾みをつけられるか [写真提供]= U18日清食品リーグ

 東山に54本のリバウンドを許し、ターンオーバーも「15」を数えた。翌日の中部大学第一高校(愛知県)との試合は92-74で勝利したものの、1、2年生で戦った相手に対しても序盤はミスが目立つ内容だった。「前半から自分たちのペースに持っていかなければいけないです」。オープンハウスアリーナ太田で行われた連戦を終え、澤田は反省を口にした。

 少し浮かない顔だったが、実力拮抗のチーム同士が競い、試合で浮き彫りになった課題を次の試合で改善していけることもリーグ戦ならではの良さである。タイトルをかけた真剣勝負を繰り広げつつ、澤田自身も初めて経験するトップリーグを楽しんでいるようだ。

「遠征が増えて少しきつい面もあるんですけど、試合ができることはとてもありがたいですし、(トーナメントとは違って)楽しい大会だと思います。普段の試合とは雰囲気が違って、上の大きなビジョンにリプレイが映るじゃないですか。プレー中でも見てしまいます。そういった面でも面白さがあって楽しいと感じますね」

 19日の最終戦は、全出場チームが国立代々木競技場 第二体育館に集結。勝てば全勝優勝が決まる開志国際は、ウインターカップ予選で福岡県1位を勝ち取った福岡大附属大濠と激突する。

 相手は「FIBA U19 バスケットボール ワールドカップ 2023」を経験した204センチの渡邉伶音を筆頭に、湧川裕斗や高田将吾など世代別日本代表メンバーが並び、開志国際にも引けを取らない厚い選手層を誇る。高さと速さを兼ね備える福岡大附属大濠に対し、開志国際の司令塔は「どうしても攻めにくくなると思うので、外からのシュートをしっかりと決めていくことが大事になる」とポイントを挙げた。

 12日の試合では、エースの平良宗龍が左足を負傷するアクシデントに見舞われた。この先のウインターカップを見据え出場を回避する可能性もある。それでも、チームにさらなる勢いと新たなタイトルをもたらすために負けるわけにはいかない。

 今後を占う意味でも注目の一戦は、満員の会場を大いに沸騰させるはずだ。

インターハイで味わった悔しさをまずはトップリーグで晴らす [写真]=伊藤大允

文=小沼克年

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