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【ウインターカップ2024注目校】開志国際(新潟)「『開志らしさ』を貫き、見据えるのは2度目の冬制覇」

2年ぶりの冬の頂点を目指す開志国際 [写真]=佐々木啓次
フリーライター

『凡事徹底』をスローガンに掲げる開志国際高校(新潟県)は、2022年に初めてウインターカップの頂点に立った。だが、その翌年はベスト8で敗退。昨年から経験を積む選手たちが3年生となった今年のインターハイでも準々決勝で涙をのんだ。

 平良宗龍(3年)が「空いたらどんどん3ポイントを打っていくのが自分たちのプレースタイル」と言うように、今年の特徴は思いきりの良い3ポイントシュート。センターのネブフィ ケルビン シェミリーや献身的な働きをする高野拓泉のインサイド陣も3ポイントを放ち、その中でも平良と千保銀河(いずれも3年)が稼ぎ頭として得点を引っ張る。司令塔かつキャプテンとしてチームをまとめるのは、優れたスピードとクイックネスを持つ清水脩真(3年)だ。

 今夏のインターハイで実現した日本航空高校(山梨県)との試合では、チーム全体で29本中12本の長距離砲を射抜いて快勝を収めた。しかし、続く美濃加茂高校(岐阜県)との準々決勝では、3ポイントが39本中成功は7本のみと不発。追いかける展開となった終盤は「勝ち焦ってしまった」(富樫英樹コーチ)と単調なプレーが増え、68-76でタイムアップを迎えた。

「一人ひとりが『自分が決めないといけない』という気持ちが強くなり過ぎてしまい、オフェンスの足が止まり個に頼ってしまいました。個人的にも3ポイントが入らなかった時に、いかに2点を取りに行けるかという部分をもっと伸ばしていきたいと思います」

 インターハイでの敗戦後は反省の弁を述べた平良だが、チームはその後のカップ戦や「U18日清食品トップリーグ2024」を通して「成長できてきてる」と話す。

「千保と平良のシュートが入らないと勝てない」。富樫コーチは2人へ発破をかけるが、それは大きな期待の表れでもある。一方で、「下級生も悪くないので考えます」とウインターカップでの選手起用についても言及。清水のバックアップを務めるの北村優太(2年)、高確率の3ポイントが魅力の髙橋歩路(1年)といった下級生たちの奮起も優勝のポイントになりそうだ。

開志国際の得点源の一人、銀河 [写真]=佐々木啓次


 清水と平良が異口同音に発したのは「開志らしさ」という言葉だ。平良は言う。「ベンチも応援席も含め、最後まで明るく元気よくバスケットをするのが開志らしいバスケットです」。

 勢いに乗った時の開志国際は、ディフェンスから鮮やかな速攻や3ポイントで畳みかける爆発力を誇る。どんな状況になっても「開志らしさ」を貫くことができれば、自ずと結果はついてくるはずだ。

文=小沼克年