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『B MY HERO!』
全国でも指折りの強豪校でありながら、過去2年間は県予選を突破できず、全国の舞台に立てなかった。しかし、今年の夏に3年ぶりのインターハイ出場を果たした昭和学院高校(千葉県)は、ベスト4まで進出。3回戦で開催地代表の精華女子高校(福岡県)を、続く準々決勝で鵬学園高校(石川県)をそれぞれ2点差で退け、優勝した京都精華学園高校(京都府)との準決勝では5点差の競り合いを演じた。今回のウインターカップも3年ぶりの出場となるが、優勝候補の一角に名乗りを挙げた。
チームは先発を担う月松蒼、前田珠涼、山下笑伶奈の3年生を中心にバランスの取れた布陣だ。キャプテンの月松はディフェンスでも安定感をもたらし、攻撃力のある前田は得点源として積極的にリングへアタックする。180センチで攻守の要となる山下は、インサイドだけでなくアウトサイドでのプレーも可能。山下とU17日本代表にも選ばれた石井杏奈(2年)もオールラウンドなプレーが持ち味で、同じく2年生の藤松柚乃はテクニックに優れたポイントガードだ。
「インターハイの時よりも多くの控えの選手が試合に絡めるようになりましたし、4番ポジションの石井を3番でプレーさせて全体をサイズアップすることもできるようになりました。そういった面がトップリーグを経験させていただいて得た収穫だったと感じています」
鈴木親光コーチはそう手応えを口にしたが、今年のチームは全国経験の少ないチーム。「(インターハイの結果が)自信になって思い切りよくプレーできている部分もありますし、逆に空回りしてしまうところもあります。勝ち慣れてないチームなので、私としても彼女たちをうまくコントロールしてあげなければいけないと思っています」と指揮官は語る。
今大会はトーナメント右上のシードを獲得した。しかし、初戦から京都両洋高校(京都府)と鳥取城北高校(鳥取県)の勝者と激突。どちらが来ても留学生を擁するチームとなるため、日本人のみで構成される昭和学院はチーム力が問われる。
夏を超える決勝進出に期待がかかるが、先を見ることなく、あくまでもチャレンジャーとして1つずつトーナメントを勝ち進んでいく構えだ。
文=小沼克年