2021.11.09

東海大が日本大との優勝決定戦を制す! 3年ぶり6回目となる関東リーグ制覇

リーグ戦の最優秀選手賞を獲得した東海大の佐土原遼 [写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

戦列復帰の大倉颯太が大一番で躍動

 10月2日から開催された1部の「第97回関東大学バスケットボールリーグ戦」は、東海大学の優勝で幕を閉じた。

 今回のリーグ優勝の行方は、最終戦を前に東海大と日本大学に絞られた。ともに9勝1敗で迎えた11月7日の直接対決。7月の「第70回関東大学バスケットボール選手権大会」決勝と同カードであり、その際は日本大が東海大を破っている。

 雪辱に燃える東海大は、リーグ終盤に大ケガからの復帰を果たした大倉颯太(4年)が魅せた。まだプレータイムに制限があるにもかかわらず、27得点を挙げた八村阿蓮(4年)に次ぐ22得点をマーク。3ポイントシュート、バスケットカウントでもスコアを重ねて日大の守備に風穴を開けた。最終スコア77−59。東海大に3年ぶり6度目のリーグ制覇をもたらした。

ケガから復帰の大倉(右)が決勝で躍動 [写真]=小沼克年


 優勝後の記者会見、陸川章ヘッドコーチは大倉の復帰を喜びつつも、こんな言葉で優勝までの道のりを振り返った。

「大倉をケガで欠いたなか、チーム一丸となって、よくつないでここまできたなと」

 開幕当初、チームは大倉だけでなく佐土原遼坂本聖芽(ともに4年)、島谷怜(3年)など主力組にケガ人を抱えていた。それでも、「下級生にとってはチャンスだと思って、いろいろ使っています」という指揮官の期待に応えるように、2年生の黒川虎徹西田公陽、ルーキーの金近廉らも役目を果たし、序盤戦を支える貴重な戦力になった。

 大倉の離脱から東海大の正ポイントガードを担った河村勇輝(2年)は、今大会の優秀選手賞に加えアシスト王(計57本)を受賞。苦杯をなめた7月のトーナメントを終え、河村が教訓にしたのは、「とにかく無理をしないこと」だった。

「トーナメントでは『自分がやらないと』という気持ちになって無理をしてしまいました。チームには点を取れる選手がたくさんいるので、自分が得点を取りにいくよりも、しっかりとボールを回してプレーする方が大事になってくると思っています」

 開幕から2試合を終えた時点でそう語っていた河村。自らの立ち位置を再確認し、アシストに一層の意識を向けたことが、河村、そしてチームにとっても良い結果に結びついたと言えるだろう。

東海大の河村はアシスト王と優秀選手賞を獲得 [写真]=小沼克年


 最優秀選手賞に輝いたのは、3戦目の白鷗大学戦からコートに立った佐土原。インサイドを支える身として、得点に加えてディフェンスの場面では常に声を張り上げてチームの士気を高め続けた。

 7月に流した涙を糧にしてきた佐土原は、「ただただ嬉しい気持ちでいっぱいです」と素直な心境を述べ、「よく颯太が言うんですけど、圧倒するチームにならなければならないと思っています。リーグ戦は大東文化大学に1敗してしまったので、インカレでは改善点を克服して2連覇したいと思います」と意気込んだ。

春のトーナメントのリベンジを果たした東海大 [提供]=関東大学バスケットボール連盟

リベンジされた日本大は、インカレでの優勝を目指す

 春の王者としてリーグ戦に臨んだ日本大は、開幕から接戦が続いた。その中でも、チームは今年からスタイルに掲げる堅守で白星を積み重ねたが、城間修平HCは「トーナメントで優勝してことで、選手たちが構えてしまっているというか、気持ちの部分で乗り切れていない試合が続きました」と指摘。キャプテンを務める若林行宗(4年)も、リーグ戦前は「優勝して満足したわけではないですけど、チームが落ちてしまった時期もありました」と打ち明ける。

「とにかく楽しくバスケットをしよう」

日本大は2位で終わったがインカレが最終決戦となる [写真]=小沼克年


 チームはこの言葉を胸に刻み立て直しを図った。大東文化大と東海大には土をつけられたが、若林は「準優勝できたことは良い方向に捉えてインカレに臨みたいと思います」とすぐに前を向いた。

 なお、3位には8勝3敗の白鷗大が入り、専修大学は得失点差で4位。日本体育大学、筑波大学と続き、神奈川大学は12チーム中唯一勝利を挙げることができなかった。神奈川大を含む下位4チームはインカレ出場権をかけた『インカレチャレンジマッチ』が11日に控えており、まだまだ熾烈な戦いは続く。

「インカレで日本一」を掲げ、それぞれのチームは休む間もなく準備を進める。

写真・文=小沼克年

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