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日本代表のシェーファーアヴィ幸樹(シーホース三河)らを輩出した実績を持つAAU(アマチュア・アスレティック・ユニオン、ユーススポーツの大会を運営する非営利組織)チームの『Tokyo Samurai』が10日、“Tokyo Samurai Top 30 Showcase”を開催し、アメリカの大学やBリーグでのプレーを望む若者たちが自身のスキルをアピールした。
会場のカルッツかわさき(川崎市)に集まったのは約40名。15歳から24歳の選手たちで、現役のSamurai所属選手や過去に同チームでプレーした「卒業生」が中心だったが、インターナショナルスクール以外の東海大、拓殖大、専修大といった通常の日本の学校に通う、あるいは通っていた選手らも参加した。
「現役」のSamuraiメンバーではU18日本代表候補でセントフランシス大(アメリカ・ディビジョン1)へコミットしているキシャーン・大河・マクニールが、「卒業生」は2021-22シーズンからストーニーブルック大(アメリカ・D1)でプレーするケイン・ロバーツもこの日、汗を流した。
選手たちは4チームに分けられ、午前11時半から約6時間にわたってピックアップゲームを実施。来場した多くのBリーグコーチや関係者、エージェントなどが見守る中、コートを駆け回り、かつ身体を激しくぶつけ合いながら自身のパフォーマンスをアピールした。同チームにはバイレイシャル(両親のいずれかが日本以外の出身)の選手も多く、彼らがダンクやクロスオーバーなど高い身体能力を生かしたプレーを見せる場面もあった。
2014年にスタートしたTokyo Samuraiは年々、認知度を上げ、オープンな形での開催となって今年で3年目となったShowcaseでも、上記に記したようなBリーグ等の関係者の数は年々、多くなっている。
他方、同チームの選手たちは先述したようにインターナショナルスクール等に通うバイレイシャルや、ネイティブな英語を話す選手たちが大半だったが、近年では海外の大学でのプレーを目指す通常の日本の学生も練習やその他のアクティビティに加わるケースも増えている。
SamuraiのU18チームヘッドコーチでディレクターでもあるクリス・シーセン氏は、より多くの国内の高校や大学から存在が知られるようになったこともあって、今年のShowcaseではより力量の高い選手たちが集まったと話した。
「我々としてはチームの活動を今後も知ってもらいたいと思っていますし、ここでプレーしたいと考えている選手たちには、いつも門戸を開いています。そして(Bリーグの)コーチやGMや代理人が『彼はどういう選手なんですか』と関心を示すならば、きちんと紹介してあげたい」。
Samuraiはアメリカの大学等とのコネクションを広げている。シーセン氏によれば、日本の学校でプレーしアメリカのD1校への進学が決まった選手は過去2年で7名いるそうだが、同チームではうち6名の学校探しに関わっているという。ラドフォード大へ行くことが決まった山崎一渉もその1人だ。
しかし、日本人の選手がアメリカの大学スポーツの制度変更などの影響で同国の大学等に海外の選手が進学することは容易でなくなってきている、とシーセン氏は言う。
アメリカ・カレッジバスケットボールでは近年、「トランスファーポータル」という制度(転校を希望する選手の獲得に透明性を持たせるために設置された)ができ、各大学は高校生よりも実力の確かな転校希望選手獲得に注力する傾向が出てきているからだ。
そのため、「アメリカでプレーしたいと考える若者たちはこうしたカレッジバスケットボールの仕組みをよく理解した上で準備をするべきだ」とシーセン氏は強調する。
Samuraiは毎夏、選抜チームをアメリカへ遠征。AAU大会に参加し、現地のコーチやスカウト等が直接選手を観られる機会を作っている。これまでは南カリフォルニア周辺の大会へ参加していたが、今年は7月1日から12日の期間でニュージャージー州とペンシルベニア州で開催の大会に出場する。30から40名の選手がこの遠征に加わることとなる予定だ。
今回のShowcase、そして来月のアメリカ遠征と通じて今後、アメリカの大学でプレーする日本人選手はさらに増えることが予想される。
文=永塚和志