2023.06.05

Wリーグが河瀨直美会長の退任を発表…新会長には元日本代表の原田裕花氏が就任

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 Wリーグは6月5日、河瀨直美会長が5月30日の社員総会および理事会における役員改選にて任期満了により退任し、これに伴い、新会長に原田裕花氏、新専務理事に髙橋雅弘氏が就任したことを発表した。

 新会長に就任したのは、山口県出身で現在55歳の原田氏。1987年にジャパンエナジーに入社(現ENEOSサンフラワーズ)すると、日本リーグ優勝と新人王を獲得する。1996年の現役引退までに、2回のリーグ優勝や3回の皇后杯優勝、リーグベスト5選出など、多くの実績を残した。また、日本代表のキャプテンも務め、20年ぶりの出場となった1996年のアトランタオリンピックでは7位入賞を果たした。

 今回の発表に際し、河瀨氏、原田氏、髙橋氏、日本バスケットボール協会(JBA)の三屋裕子会長は、リーグを通じて以下のようにコメントしている。

前会長 河瀨直美氏
「この度、任期満了に伴い、Wリーグの会長を退任することになりました。東京オリンピック公式映画監督としてIOCからの命を受け、その中で女子日本代表チームをカメラで追いかけるうち、ご縁をいただき、今回の就任に至りましたこと、昨日のことのように鮮やかに思い出されます。スポーツ業界にとっても苦難のコロナ禍での会長就任。プレッシャーも大きく、東京オリンピック撮影同様、厳しいスタートにはなりました。

 そんな向かい風の中でも、本オリンピックにおける女子日本代表の銀メダル獲得により迎えた第23回大会では、プレーオフ・ファイナルにおいてWリーグ史上最多入場者数となる7151人の新記録達成。また、その成長をさらに発展させるべく迎えた第24回シーズンでは、3年ぶりに日本全国の都道府県の皆さまの前で試合を開催でき、メンバー一丸となってシーズンを無事完走できました! プレーオフ・ファイナルでは第3戦にもつれた歴史的な熱戦を繰り広げ、女子バスケットファンのみならず多くの方々に感動と勇気を届けられたのではないかと思います。

Wリーグをこれまで以上に盛り上げ、バスケットボールの魅力を普及し、選手たちが輝く姿を多くの人々に観戦してもらえる楽しさと歓びを分かち合っていきたい!』という、就任当初からの願いを形にできたのではないかと思っています。このような成果があげられましたことは、選手や各チームのスタッフの皆さま、ファンの皆さま、オーナー企業・パートナー企業の皆さまをはじめとする、Wリーグにかかわるすべての方々の支えがあってのことでした。心からの感謝を申し上げます。女子バスケットボールがこれまでで最も注目されたともいえる一期二年において、日本全国の皆さまに、この競技の素晴らしさを共有できたことはひとつの成果であると考えています。今後も引き続き、このWリーグと日本の女子バスケットボール界を別の形で支えていく所存です。Wリーグへの変わらぬご支援を心からお願い申し上げます」

新会長 原田裕花氏
「このたび、一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(WJBL)の会長を拝命いたしました。アスリート出身者の会長はリーグ初と聞き、Wリーグの歴史において新たなページの一部を担うという重責に、身が引き締まる思いです。小学校3年生から始めたバスケットボール人生20年間で色々なことを学び、経験し、その中でもアトランタオリンピック7位入賞の経験はかけがえのない財産として残っています。引退して26年、試合の解説、クリニックや講演等を通して、選手や子どもたちの夢、希望に一つでも多くつなげられるようにお手伝いをさせていただいておりました。

 会長というこれまで経験したことのない役職のため、手探り状態にはなりますが、自身の競技経験や選手経験を生かし、

・日本の女子バスケットボールの素晴らしさや楽しさをアピールするにはどうすればよいか?
Wリーグをたくさんの方に応援してもらえるようにするにはどうすればよいか?
・後輩選手たちに寄り添い、皆が輝ける環境はどうすれば作れるか?

 ということを日々考え続け、バスケットボールに関わる方々と協力しながら、『いつも笑顔で!』をモットーとする“私らしさ”でWリーグ、選手、そしてこれからのバスケットボール界を担う子どもたちのために尽力していきます。未熟な点も多いかと思いますが、一生懸命に務めたいと思いますのでよろしくお願いいたします」

新専務理事 髙橋雅弘氏
「この度、専務理事に就任したしました髙橋です。これまで長きにわたり、現場の最前線にて女子バスケットボールの強化・普及に携わってまいりました。これからは立場を変え、国内最高峰のリーグであるWリーグを、さらに活性化させ、強い女子代表に寄与することはもちろん、全国各地の若きバスケットボールプレーヤーにとって、これまで以上にあこがれの舞台となるようにしたいと願っております。また、全14チームが一丸となり、且つ、その輪がさらに広がっていけるような成長を目指し、皆さまとともに歩んでいければと思います。何卒よろしくお願い申し上げます」

JBA会長 三屋裕子氏
Wリーグの役員改選にあたり、まずは河瀨直美前会長、そして清野英二前専務理事のこれまでのご尽力に対し、心より敬意と感謝を申し上げます。東京オリンピックでも活躍してくれた女子日本代表選手たちが所属するWリーグの発展がバスケットボール界の発展に大きく寄与しており、オリンピック後のWリーグの様々な取り組みもバスケットボール界のさらなる盛り上がりをつくってくださっていると思います。このたび就任された原田裕花会長、髙橋雅弘専務理事の新体制の下、Wリーグが国内トップリーグとして男子Bリーグとの両輪で益々発展していくことを期待しております。Wリーグがその歩みを止めることなく、今後も引き続き様々な改革を進めていただくことに対し、私どもJBAといたしましても最大限のバックアップをさせていただき、ともにバスケで日本を元気にしていきたいと考えています」