2023.06.10

栗原三佳さん、桂葵さん、三好南穂さんが中学生と交流…夢授業やバスケクリニックを実施

栗原さん、三好さん、桂さん(左から)が『ALL BASKETBALL ACTION DREAM HOOP PROJECT』に参加 [写真]=金田慎平
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 4月24日、江東区区立深川第四中学校で日本生命保険相互会社主催の『ALL BASKETBALL ACTION DREAM HOOP PROJECT』が開催。栗原三佳さん、桂葵さん、三好南穂さんが講師として登場し、中学1、2年生を対象に夢授業やバスケットボールクリニックを実施した。

 授業のテーマは『夢について』。栗原さんは大阪薫英女学院高校、大阪人間科学大学を経て、トヨタ自動車 アンテロープスでプレーし、2020-21シーズンをもって現役を退いた。当初は外国に興味を持ち、客室乗務員や通訳の仕事に憧れていたというが、高校進学を機に意識が変わっていったようだ。強豪校に入学したことで、レベルの高さに驚いたものの、「みんなに追いつくことを目標にして、一つひとつクリアにしていきました」。バスケットボールをプレーする楽しさだけではなく、「乗り越えることがやりがい」と感じるようになり、日本代表を意識するようになった。

「世界に通用する選手になりたい」と、より高い目標を持ち、努力を続けた結果、実際に日の丸を背負ってオリンピックにも出場。9歳から31歳まで競技を続け、日本を代表するシューターとして名を馳せた。夢について「好きなことの延長線上でもいい」と話すと、「夢は変わりゆくもの。まずはチャレンジすることが大事で、夢が違うと思ったら変えるのも一つです。小さな目標が大事」と語り、日々の積み重ねが重要になると説明。「英語か韓国語をマスターすること」という自身が持つ10年後の夢に向けて、「隙間時間を使って単語を覚えていきたいと思います」と口にした。

「世界に通用する選手」という大きな目標を叶えた栗原さん [写真]=金田慎平

 三好さんは2012年にシャンソン化粧品 シャンソンVマジックでキャリアをスタートさせ、2017年から2022年にかけてトヨタ自動車でプレー。所属チームだけではなく、自身2度目の出場となった東京オリンピックで銀メダルを獲得するなど、日本代表としても活躍した。充実した現役生活を送った三好さんだが、「バスケットボールを始めた小学2年生の時は運動が苦手でした。毎日のように『辞めたい』と言っていて、父親から『あと1日だけ』と言われていたら、知らないうちに好きになっていました」と幼少期を回顧。親元を離れて名門桜花学園高校に進むと、高校3年次にWリーグ入りを決断した。

「進路選択の時、大学に進学するのか、プロ選手になるのかすごく悩みました。ただ、実家に帰省して小学6年生の時に書いた卒業文集を見たら、プロバスケットボール選手になると書いてありました。小さい頃の夢を叶えられるのは数少ないこと。チャンスがあるならチャレンジしてみようと決めました」

 夢を叶えるポイントとして「準備をすること」、「チャレンジを楽しむこと」、「自分の強みを見つけること」の3つを挙げ、「皆さんにも夢に向かっていってほしいです」とメッセージを送った。

生徒に寄り添ってアドバイスを送る三好さん [写真]=金田慎平

 桂さんは桜花学園、早稲田大学で全国大会に出場するなど活躍したものの、「全く違う世界を見たい」との思いから、大学卒業後の2015年に競技を離れて会社員に。「大学時代は夢がわからなかったし、自分に何ができるのかもわからなかったです」と明かし、「夢は何でもいい。『これだ』と示さないで、好きなことを続けて、好きを追求することも大事です。好きの先に、夢が広がることもあります」と語った。

 ただ、2022年に会社を辞めて、自身の夢を叶えた。30歳の節目を迎える際、「バスケで世界にチャレンジしたい」と一念発起。3x3チームのDüsseldorf ZOOSで選手兼クラブオーナーとして活動を始めた。「3x3で世界一になりたいわけじゃないんです。3x3選手がどのように生きていて、どのように生活しているのかを体現したいんです」と話し、生徒たちに対して後悔しないように呼び掛けた。

「大学時代は夢がわからなかった」と意外な一面を明かした桂さん [写真]=金田慎平

 クリニックではボールを使ったアップから始まり、ドリブルやシューティングゲームなどを実施。トップレベルを経験した3人から指導を受け、バスケットボールを楽しんでいた。限られた時間ではあったものの、生徒たちにとっては貴重な経験になっただろう。

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

取材=酒井伸
写真=金田慎平

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