Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
デンソーアイリスのルーキー、19歳の薮未奈海は、デンソーに入団した昨年4月から日本代表候補選手として代表活動を行うと、7月にはU19女子日本代表の主軸を担いスペインで開催された「FIBA U19女子ワールドカップ」に出場。9月末から10月にかけては「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」に臨み、初めてトップの日本代表として国際大会に出場するなど、1年目から貴重な経験を積んだ。
薮の属するデンソーは昨年12月に皇后杯を初制覇。日本代表の髙田真希、馬瓜エブリン、赤穂ひまわりをはじめ、キャリアのある実力派プレーヤーがズラリとそろう。その中で1年目の薮のプレータイムは決して多くはなく、上位チームとの対戦では出場機会のない試合もあった。現時点ではまだまだ︎勉強中といったところではあるのだろう。だが、3月9日のENEOSサンフラワーズ戦の第1戦では高田真希、馬瓜エブリンのファウルトラブルもあり、5分強の出場時間を得た。
この起用についてヴラディミール・ヴクサノヴィッチヘッドコーチは、「(高田、馬瓜の)2人がいないとリバウンドが厳しくなってくるので、サイズを上げるため」と語り、薮のプレーについては「悪くはなかったし、ゲームごとに成長しています。ハードワーカーなのでもっと試合を重ねていけば︎」と、期待も寄せた。
一方の薮は「要所で出て流れを変えるとか、我慢の時間帯に出ることが多くなるというのは分かっていたので、しっかりつなぐことを意識しました。第2クォーターで出たときに点差が縮まったと思うので、つなげていたのではないかと感じます」と手応えを感じつつも、「後半になったときに攻撃の一人としてもっとできるようになっていかないといけないと実感しました。やることはいっぱいだなと思っています」とも語った。
その藪は、昨年4月からはデンソーの選手としてだけでなく、大学生として二足のわらじを履いている。大学は通信制のため、普段の授業はインターネットを介して。「オンデマンドなので自分の好きな時間に(映像を)見ることができて、時間に縛られることはないです。まったくやらない日もあればやる日もあります」という。ただ、それにはスケジュール管理などが大事になってくる。レポート提出などがある時期なおのことで、昨年でいえば7月の「FIBA U19女子ワールドカップ」のころがその時期と重なったため、飛行機の機内でもレポートを進めていたという。とはいえ、そこはしっかり者の藪。日本とスペインとの時差を踏まえ、「ここで少し早めにやっておいた方が楽だよねという感じでした」と、スケジュール管理にも抜かりはないようだ。
そもそも、八雲学園高校(東京都)時代から学業優秀だった藪が高校卒業後も学びを求めるのは必然だったといえる。そのようなときに通信制の話が浮上し、「これならできるのではないか」と大学進学を決めた。
この1年、二刀流の活動について「つらくはなかったですよ」と、薮。それこそ「学びたいから続けられるというのはあると思います」と、笑顔で語った。
Wリーグはこれからプレーオフへと突入。薮は、「自分の役割が試合ごとであると思うので、その役割を徹底すること。もちろん、自分の持ち味はシュート力だと思うので、そこは曲げずに。強い気持ちでシュートを打ち切って勝ちに貢献したいです」と、決戦を見据えて力強く抱負を語っていた。
文=田島早苗