2018.01.08

「僕の時よりうれしい!」八村塁が明成高校ウインターカップ優勝に刺激を受け、5試合連続2ケタ得点

八村は5試合連続で2桁得点をあげた[写真]=山脇明子
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 2日前のペパーダイン大戦で12得点6リバウンドし、4試合連続2ケタ得点をあげた八村塁。日本時間1月7日(現地時間1月6日)はロサンゼルスでロヨラ・メリーマウント大と対戦した。

 八村が最初にコートに立ったのは、ゴンザガ大が16ー13でリードしていた前半残り14分25秒。その24秒後にアンダーハンドでジョナサン・ウィリアムズに鋭いパスを出してダンクをアシストすると、残り13分24秒にはフリースローラインの辺りからジャンプシュートを決め20ー16とした。残り11分18秒にはポストアップからフェイクを入れてターンアラウンドジャンパーを成功させスコアは25ー18となった。

 この日はディフェンスリバウンドも好調で、残り9分37秒にディフェンスリバウンドを奪ってジョシュ・パーキンスのレイアップにつなげると、残り9分8秒にはボールが上にはねた相手のミスを高いジャンプでもぎ取り、ディフェンス陣を交わしながらコースト・トゥ・コースト、そしてフィンガーロール。ファウルを得てフリースローを決め3点プレーとしたところでゴンザガ大は30ー20とこの日初めての2ケタリードを奪った。八村はさらに残り7分43秒にディフェンスリバウンドを奪ってウィリアムズの得点につなげている。

 34ー26とリードしていた残り6分18秒に一度ベンチに下がった。しかし39ー28の残り5分9秒に再び入ると、約30秒後に4本目のリバウンドをゲット。残り4分9秒には相手にピッタリとついてブロックショットを決め、さらにその1分後にはレイアップを沈めた。

 八村は前半開始から5分半でチェックインして以降、1分あまりベンチに戻っただけで、フィールドゴール5本中4本成功の9得点、4リバウンド1アシスト1ブロックショット。チームは46ー41で前半を折り返した。

 この日も前半からチームを活気づけるプレーを見せた八村。控え選手として今重視しているのが、ベンチから見ている最初の5分。「どういう相手なのか、自分がやる選手はどういう選手なのかというのを今意識してやっているので、それがうまくいってるんじゃないかなと思います」と言う。例えばこの日の場合は、自分がマッチアップする選手が大きかったことで「フィジカルあるなと思った。でも動きがそんなに早いわけではなかったので、そういうところで攻めようと思いました」と話す。

 また控えという現在の役割について、「これからの将来的なことを考えると、ベンチから出るということも多くあると思うので。それよりも出場時間とかそういうところを気にしています。そういうところで出てどれだけ自分のやるべきことができるのかということが大事ですね」と自らの考えを示した。

ベンチスタートという立場もポジティブに捉えている八村[写真]=山脇明子

 後半さらに2得点1リバウンド1アシスト1スティールを追加し、八村は計18分の出場で5試合連続2ケタ得点となる11得点5リバウンド2アシスト1ブロックショット1スティールをマーク。チームも85ー66で勝ち、カンファレンスゲーム開幕4連勝(ノン・カンファレンスゲームも含めて14勝3敗)。マーク・フューヘッドコーチも八村について「塁はディフェンスにおいて非常にいい働きをした」と話した。

 実は試合後、八村が最近の好調ぶりについて、もう一つの理由を明かした。それは母校明成高校(宮城県)がウインターカップで優勝したことで、「自分が3回(優勝)したのよりも全然うれしくて…。明成が頑張ってくれたということで僕もやらなきゃいけないなというところにきている」と声を弾ませた。
 
 次の試合は同12日の対ポートランド大。高校時代に大舞台で対戦した帝京長岡高校(新潟県)卒のタヒロウ・ディアバテとの大学進学後初対戦だ。11月にポートランドで行われた大会“PK80”の時に会って話をしたそうで、八村は「楽しみです」と、場所をアメリカに移したタヒロウとの再対決に期待を寄せていた。

文=山脇明子

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