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NBAが「NBAプレーオフ2024」に向けて盛り上がりを増す一方、アメリカでは未来ある高校生たちにも熱視線が注がれた。
4月14日(現地時間13日)、ナイキ本社のコーチKジムとポートランド・トレイルブレイザーズの本拠地モダ・センターでは、アメリカと世界のトップ選手24名が招待される「ナイキ・フープ・サミット」が開催され、NBAのスカウトや幹部100人以上が視察するなか、練習やスクリメージが行われた。
「ナイキ・フープ・サミット」は、アメリカ選抜と世界選抜が対戦する高校のオールスターゲームであり、1995年の開催開始以来、名だたるアスリートたちが参加してきた。2024年のチームUSAには、ラトガース大学への進学が決定しているエース・ベイリーとディラン・ハーパーや、ケンタッキー大学入りが確実視されているジェイデン・クウェインタンスも参加。一方のチームワールドには、世代最高ビッグマンとしてデューク大学にコミットしたカマン・マルアハのほか、彼らより1つ下の世代にあたる『Class of 2025』で1位評価を受けるAJ・ディバンツァなどがロスターに名を連ねた。
そのなかで最も注目を集めたのが、デューク大学への進学が決定しているクーパー・フラッグである。現代バスケットボールの決定版と言っても過言ではないフラッグは、自身が所属するモントバード・アカデミーをシーズン無敗に導いた新時代の怪物。現役ではジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)やポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)、往年のプレーヤーではケビン・ガーネット氏(ミネソタ・ティンバーウルブズほか)やアンドレイ・キリレンコ氏(ユタ・ジャズほか)などと比較されるが、攻守、フィジカルともに高い完成度にある正真正銘の二刀流を従来の選手に当てはめるのは難しい。スカウトたちが高く評価するオフボールディフェンスとショットブロックのスキルはすでに一級品であり、オフェンスではフットワーク、ハンドリング、シュート精度の三拍子を兼ね備え、パサーとしての伸び代も感じさせる。
フラッグは試合でもチームUSAをリードし、チームハイの19得点、11リバウンド、2アシストを記録して、勝利に大きく貢献。インサイド、ペリメーター、アウトサイドからバランスよく得点を重ねるバリエーションは健在で、速攻からの豪快なダンクからは彼の兼ね備えた運動能力も垣間見えた。
フラッグは試合後、アメリカを背負い、この試合を戦った感想についてコメントした。
「このジャージを着て、自国を代表するのは大変誇らしいことです。ワールドチームには多くの才能がおり、この1週間は僕らよりも彼らのほうが優れていると聞いていたので、この試合は特に意味がありました」
フラッグ以外の選手では、ジュニア世代のディバンツァがゲームハイの21得点、ベイラー大学にコミットしているVJ・エッジコムが17得点をそれぞれ記録。また、世界選抜のノラン・トラオレは終始コートで存在感を示し、18得点4アシストをマークした。トラオレはフランスのプロチームであるサン・カンタンに所属するポイントガード。自国ではトニー・パーカー氏(元サンアントニオ・スパーズほか)に次ぐフランス代表の司令塔として将来が期待されているものの、『247Sports』ではレーティング外の選手である。彼には、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)の母校であるゴンザガ大学やアラバマ大学がオファーを提示しているが、ビクター・ウェンバンヤマ(スパーズ)の成功例もあるため、ドラフトまで自国でキャリアを積む可能性も高い。
NBAは年々、国際色が増していくが、大国アメリカの秘めるポテンシャルが衰えることはない。いつの日か、本稿にクレジットされた選手のなかから、未来のMVPが誕生するかもしれない。