魅力的なヤングコアを擁する東の有望株
NBAファイナル進出を果たした2000-01シーズン以来となるレギュラーシーズン50勝以上(52勝)を挙げ、12年以来6年ぶりにプレーオフ返り咲きを果たしたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。
今年はファーストラウンドでマイアミ・ヒートを4勝1敗で下すも、カンファレンス・セミファイナルではボストン・セルティックス相手に1勝4敗で敗退。セルティックスとのシリーズでは終盤にターンオーバーやショットミスが響き、カンファレンス・ファイナル出場こそかなわなかったとはいえ、大躍進だったと言っていいだろう。
ロースターにはリーグ屈指のヤングコアが顔をそろえており、来季以降もイースタン・カンファレンスの上位争いはほぼ確実。
シクサーズには、今季オールスターに選出された万能型センターのジョエル・エンビード、208センチの長身でポイントガードを務めるオールラウンダーのベン・シモンズ、非凡なセンスと得点力を持ち合わせるダリオ・シャリッチ、19歳のスコアリングガード、マーケル・フルツがいる。
セルティックスとの第5戦に敗れた後のプレス・カンファレンスで、ブレット・ブラウンHCはこんな言葉を残していた。
「ある時点で、(チャンスの)ときが来たら、我々はチャンピオンシップを勝ち取るために手助けが必要になると私は思う」。
シクサーズは今夏、大物選手を1人どころか2人も獲得可能なほどのサラリーキャップスペースを有している。シモンズやシャリッチ、フルツの安価なルーキー契約を考慮すると、このヤングコアを今後5年間キープすることは非現実的。そのため、今後2シーズンに懸けるというのは、的を射ている。
ブラウンHCと良好な関係にあるレナード
そんなシクサーズが獲得を狙う大物選手は、今季終了後にプレーヤーオプションを行使すれば制限なしフリーエージェント(FA)となるレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)。シモンズと親交があり、ヤングコアをレブロンが操ることができれば、イーストでトップ争いを演じ、優勝争いもできるに違いない。
そしてもう1人は、カワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)だという。オールスター選出2度を誇り、14年にはファイナルMVP、15、16年には2年連続で最優秀ディフェンシブ・プレーヤー賞(DPOY)を獲得したリーグきってのオールラウンダーだ。スパーズを出たがっているというウワサは根強く、レナード獲得を狙うチームの1つがシクサーズだという。
現地メディア『Philly.com』の記事によると、レナードはブラウンHCと良好な関係にあり、シクサーズがトレードでレナードを獲得したとしても、決して驚くことではないという。ただし、今夏に現行契約の延長がなければ、来夏にプレーヤーオプションを行使して制限なしFAになることができる権利を持つため、そこがポイントになるだろう、とのこと。
ブラウンHCは04-05シーズンから12-13シーズンまでスパーズのACを務めてきた。そのため、NBA入り当初のレナードを見ており、今でもその関係は良好のようだ。
もしもレナードをトレードで獲得するとなれば、シクサーズは先発スモールフォワードを務めるロバート・コビントンと数人を放出することになるだろう。
はたして、シクサーズは既存戦力を保持したまま、大物選手をFAに絞って獲得するのか。それとも、トレードでレナードのようなリーグ屈指の実力者獲得を狙うのか。引き続き、今後の動向に注目していきたい。