4選手が15得点以上を挙げたホームのシクサーズがセルティックスに一矢報いる

第2Q後半の11連続得点で好リズムをつかんだシクサーズ

　5月8日（現地時間7日）、ボストン・セルティックス（3勝）とフィラデルフィア・セブンティシクサーズ（0勝）によるイースタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦が、シクサーズのホーム、ウェルズ・ファーゴ・センターで行われた。

In his first #NBAPlayoffs start, T.J. McConnell fuels the @sixers with a career-high 19 PTS, 7 REB, 5 AST! #PhilaUnite pic.twitter.com/95AnwTwqGW

— NBA (@NBA) May 8, 2018

　3連敗と後がないシクサーズは、フォワードのロバート・コビントンをベンチスタートにし、ガードのTJ・マッコネルをスターターに昇格。ベン・シモンズ、JJ・レディックとの3ガード態勢でこの試合に臨んだ。

　序盤は両チームが点を取り合う展開で進むも、第1クォーター中盤からジョエル・エンビードとマルコ・ベリネリの3ポインターが続き、シクサーズが抜け出す。

　セルティックスはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンのショットで1点差に追い上げると、マーカス・モリスの3ポイントプレーが決まって逆転（16－14）。

　その後も両チームは交互にスコアし、残り5.9秒にマーカス・スマートのショットが決まり、セルティックスが1点リード（22－21）でこのクォーターを終える。

　第2クォーターに入ると、スマートの5連続得点などでセルティックスが最大6点をリードする。その後もセルティックスがリードする中、シクサーズが徐々に点差を詰めていく。

　すると、シクサーズは残り4分21秒からダリオ・シャリッチの3ポイントプレー、マッコネルのティップショット、エンビードの3ポインターなどで11連続得点と一気に逆転し、5点をリード（43－38）。シクサーズはそのままリードを守り、47－43で試合を折り返す。

高確率なショットでシクサーズ優位の展開に持ち込んだマッコネル[写真]=Getty Images

　第3クォーター。セルティックスがシクサーズとの点差を埋めるべく、テイタムやアーロン・ベインズ、アル・ホーフォードらが加点。しかし、シクサーズは残り7分1秒からシャリッチが5連続得点を挙げて10点差（64－54）をつけた。

　モリスとブラウンの3ポインターなどで追い上げを図るセルティックスだったが、シクサーズはアーサン・イリヤソバやマッコネルの活躍もあり、残り2分5秒で14点差（76－62）に広げると、そのまま2ケタリードを維持。76－65でこのクォーターを終える。

　第4クォーターに入ると、マッコネルが2連続でドライブからのレイアップを成功させ、シクサーズは残り9分2秒で18点をリード。セルティックスは試合終盤にグレッグ・モンローの3ポイントプレーで9点差まで追いつくのがやっとで、最終スコア103－92でシクサーズの勝利。ようやくセルティックスに一矢報いることとなった。

シャリッチはこの日、ゲームハイとなる25得点を挙げて勝利に大きく貢献[写真]=Getty Images

重要な試合で自己最多の19得点を挙げたマッコネル

　シクサーズではシャリッチがゲームハイの25得点に8リバウンド4アシスト、シモンズが19得点13リバウンド5アシスト、マッコネルがキャリアハイとなる19得点に7リバウンド5アシスト、エンビードが15得点13リバウンドを奪った。

　この日シクサーズで最も輝いていたのはエンビードでもなく、シモンズでもない。キャリア4年目のマッコネルだった。レギュラーシーズンを含めても今季2試合目の先発だった男は、コートを縦横無尽に駆け抜け、12投中9本のショットを決めた。会場で“TJ”チャントが鳴り響いたのは言うまでもない。

　「（チャントについて聞かれると）とてもすばらしい瞬間だったよ」と試合後の会見で語ったマッコネル。「僕らにはNBAでもベストと呼べるファンがいてくれる。彼らが勝てなかったときも声援を送ってくれたし、ここまで一緒に上昇してきたんだ」と続けた。

　0勝3敗という窮地に陥ったシクサーズにとって“マストウィン”ゲームとなったこの試合、「ショットまで行けるレーンが見えたら、ショットまで持ち込もうとした。オープンショットの機会があれば、トライして決めてやろうと思っていた。僕はチームが勝利すべく、できることをトライしたんだ」と語ったマッコネル。

　1勝3敗という窮地に変わりはないものの、「シクサーズの精神はまだまだ健在だ」とブレット・ブラウンHCが語ったように、シリーズ突破をあきらめてはいない。

　一方で、エンビードは試合中にトラッシュトークでモリスやスマートを挑発し、そのたびに「3－0（3勝無敗で勝っているのは俺たちだぞ）」とジェスチャーなどで返された。前半終了間際にはロジアーと乱闘寸前になるなど、プレー以外の面で目立ってしまった。勝ったから良かったものの、一歩間違えればA級戦犯になってもおかしくはない行動だったと言えるだろう。

　敗れたセルティックスでは、テイタムが20得点4リバウンド4アシスト、ベンチスタートのモリスが17得点5リバウンド2ブロック、スマートが14得点5リバウンド2スティール2ブロック、ロジアーが11得点8リバウンド、ホーフォードが10得点10リバウンド3ブロックを挙げるも、シリーズ初黒星。

チームは負けてしまったものの、テイタムは6試合連続で20得点以上を奪ってみせた[写真]=Getty Images

　「今夜の彼らはとてもタフだった。リードしても食らい付き、チームとしてとても粘り強かった。僕らは対等に渡り合うことができなかったんだ」とホーフォードはゲームを振り返った。

　セルティックスの3勝1敗で迎える第5戦は、会場をセルティックスのホーム、TDガーデンに移動して10日（同9日）に行われる。今年のプレーオフ、セルティックスはホームで6戦負けなしと、圧倒的な強さを誇っている。シクサーズからすると難攻不落ではあるものの、シリーズを長引かせるためには、アウェーで勝利しなければならない。