2018.05.16
5月10日(現地時間9日)、ボストン・セルティックス(3勝)とフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(1勝)によるイースタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦が、セルティックスのホーム、TDガーデンで行われた。
先取点を挙げたのは、第4戦でキャリアハイの19得点を挙げたTJ・マッコネル。最初のポゼッションでステップバック・ジャンパーを決めると、シクサーズはベン・シモンズ、ダリオ・シャリッチが加点していく。
ホームのセルティックスも、この試合でシリーズに決着をつけるべく、ジェイレン・ブラウンを中心にジェイソン・テイタム、アル・ホーフォードらがショットを決めていった。ゲームは4点差以内の攻防となり、第1クォーターは25-24と、セルティックス1点リードで終える。
第2クォーター序盤。シクサーズはマルコ・ベリネリの3ポイントプレーで逆転に成功すると、ジョエル・エンビードやシャリッチ、JJ・レディックの得点で主導権を握るも、互いに点を取り合う展開となり、4点差以内の接戦を繰り広げる。
そこで抜け出したのはセルティックスだった。残り3分30秒にマーカス・モリスのフリースロー2本で49-48と逆転し、マーカス・スマートやホーフォードが加点。残り約1分間にアーロン・ベインズとテリー・ロジアーの3ポインター、テイタムのショットで8得点を稼ぎ、61-52の9点リードで試合を折り返す。
第3クォーターは、点差を広げようとするセルティックスに対し、シクサーズが徐々に追い上げていく展開となった。途中、セルティックスに2ケタリードを許す場面もあったが、シャリッチとエンビードを中心に点を重ねて、残り21.3秒にレディックの長距離砲が決まり、82-83の1点差まで追い上げ、最終クォーターを迎えた。
第4クォーター。セルティックスはブラウンのプルアップ・ジャンパーで先制するも、シクサーズはアーサン・イリヤソバの3ポインターで85-85の同点に追いつく。その後も両チームは点を取り合い、中盤まで4点差以内の接戦となった。
しかし、残り8分51秒からシクサーズはオフェンスが停滞。残り5分16秒にシモンズのフリースローが決まるまで、3分以上も無得点となり、その隙にセルティックスが10-0のランでリードを奪う。だがシクサーズは再びセルティックスに真っ向勝負を挑み、リードが入れ替わるシーソーゲームに持ち込んだ。
セルティックスに6点リードを許すも、シクサーズはエンビードやシャリッチ、シモンズの得点で残り2分1秒には4点リード(107-103)を手にする。すると今度はセルティックスがホーフォードにスマート、テイタムのショットで残り1分で109-109の同点へ。
その直後のポゼッションで、ホーフォードがシャリッチから貴重なスティールを奪うと、テイタムのレイアップにつなげて、残り22.5秒で2点をリード。シクサーズはエンビードがレイアップを放つもリングに嫌われ、自らオフェンシブ・リバウンドを奪ってティップショットを狙うもまたもやミス。
そこでセルティックスはタイムアウトを要求し、立て直しを図ると、エンビードのターンオーバーを誘発。シャリッチのファウルで獲得したフリースロー2本をロジアーが着実に決めて、残り9.8秒で113-109。セルティックスが4点のリードを得た。
しかし、残り4.7秒でレディックが3ポインターを沈め、ゲームはわずか1点差に。タイムアウトを取ったセルティックスに対し、マッコネルが残り2.4秒でスマートにファウルをして時間を止める。
スマートの1投目。会場から「決めてくれ」という祈りがコートに浸透する中、スマートは決めることができず。シクサーズにはタイムアウトが残されていないため、次をミスしてリバウンド勝負に持ち込めば、時間はおのずとなくなるかもしれない。しかし、スマートが強引にバウンドさせてミスしようとした2投目が成功し、思わぬ展開に。
シクサーズ最後のスローイン。3ポイントシュートを決めることができれば逆転勝利も期待できる状況の中、シモンズが左コーナーへと走るロバート・コビントンへロングパスを投げた——。
コースは決して悪くはなかったものの、マッチアップしていたロジアー、コースを呼んでヘルプに入ったテイタムが近づいていく。そして、誰よりも先にパスの落下地点を読み、インターセプトした男がいた。スマートだ。シモンズのパスを腕で抱え込み、勝利を確信してボールを放り投げた。最終スコア114-112。セルティックスがホームを守り、シリーズ戦績4勝1敗でシクサーズを下した。
セルティックスでは、テイタムが25得点4アシスト、ブラウンが13投中10本のショットを成功させて24得点に2ブロック、ロジアーが17得点6リバウンド、ホーフォードが15得点8リバウンド5スティール、ベインズが13得点9リバウンドを挙げ、先発全員が2ケタ得点。ベンチからスマートが14得点6リバウンド6アシスト3スティールをマークし、勝利に貢献。
最後のフリースローを決めて逆転されるリスクがあった場面で自らスティールしたスマートについて、ブラウンは試合後の会見でこう語っていた。
「それこそがマーカス・スマートという男が繰り出すプレーなのさ。十分に彼のことを表現していると思うよ。もしボールが飛んできて、1人の男が現れてそれを奪うとしたら、誰もがスマートに賭けるだろうね」。
ブラッド・スティーブンズHC(セルティックス)も、「彼はこういった瞬間にこそ活きるんだ。非常にハードな仕事が必要なとき、彼は本当にやってのけてしまうんだ」とスマートを絶賛していた。
また、事実上の決勝点となったフリースローを2投とも決めたロジアーは、「チャンピオンシップを懸けたときのプレーということさ」と誇らしげに語った。
一方のシクサーズでは、エンビードが27得点12リバウンド4アシスト4ブロック、シャリッチが27得点10リバウンド4アシスト、シモンズが18得点8リバウンド6アシスト、レディックが14得点を奪取するも、セルティックスに一歩及ばず。
「俺たちのプロセスは決して終わったりはしない。今年はプレーオフ出場の座をつかむためのプロセスで、俺たちはやり遂げた。だがカンファレンス・ファイナルへの出場権を手にすることはできなかった。来年、俺たちのゴールはそこになったということ」とエンビードは語り、大躍進を遂げたシクサーズの今季は終了した。
エンビード、シモンズ、シャリッチの3人は、いずれもまだ23歳以下と若い。レディックやベリネリ、イリヤソバといったベテラン陣の去就は不明だが、才能あふれる若きタレント軍団は、今後もさらに成長を遂げる可能性を秘めている。来季、彼らがどのような進歩を見せるのか、そしてチームとしてどのように進化するのか。とても楽しみな存在だと言えるだろう。
2シーズン連続でカンファレンス・ファイナル進出となったセルティックスは、14日(同13日)からクリーブランド・キャバリアーズと対決することとなる。2年連続となるこのカード、絶好調のレブロン・ジェームズを相手に、セルティックスがどのような戦いをするかに注目だ。
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