Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
今からちょうど16年前の2002年5月8日(現地時間7日)。NBAのスーパースター、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)が会見中、“practice(練習)”という単語を連発した。
On This Date: Allen Iverson was talking about 'practice.' pic.twitter.com/MMW3gxF5Ne
— ESPN (@espn) May 7, 2018
アイバーソン率いるシクサーズは、01-02シーズンにイースタン・カンファレンス6位の43勝39敗でプレーオフに進出。49勝33敗を挙げて第3シードに入ったボストン・セルティックスとファーストラウンドで激突。
シリーズはセルティックスがポール・ピアースとアントワン・ウォーカー(共に元セルティックスほか)らの活躍で2連勝すると、第3戦でアイバーソンが42得点と爆発、第4戦もアイバーソンがゲームハイの28得点を挙げてシクサーズが連勝。シリーズ最終戦でもアイバーソンは31得点を挙げたものの、ピアースが10投中8本の3ポイントシュート成功を含む46得点と大爆発。シクサーズは敵地で惨敗し、前年にNBAファイナルに進みながら、翌年は早々にシーズンを終えることとなった。
シーズン終了後の会見に登場したアイバーソン。その中で、練習嫌いとして知られるアイバーソンへ、自身の練習に対する習慣について質問がとんだときだった——。
「俺はフランチャイズプレーヤーだから、この席に座っている。だが俺たちはここで“practice”(以降、練習)について話している。いいか、俺たちは練習について話している。ゲームじゃない。ゲームじゃないんだ。練習について話しているんだ。俺は常に自分にとって最後なんだという気持ちで毎試合プレーしている。だがゲームについてじゃない。練習について話しているのか」。
この会見でアイバーソンの口から“practice”という言葉が発せられた回数は、なんと22回。当時のラリー・ブラウンHCやシクサーズのチームメートたちからは、「アイバーソンが酔っ払っていたんじゃないか」という声もあったが、当時強烈な印象を残したことは間違いない。
01年にイーストを勝ち上がり、NBAファイナルに進出したものの、アイバーソン率いるシクサーズは右肩上がりだった人気と反比例し、プレーオフ1回戦で敗退。翌03年はイースト準決勝まで進んだが、デトロイト・ピストンズに2勝4敗で敗れてしまった。するとブラウンHCはシクサーズの指揮官を電撃辞任し、直後にピストンズのHCに就任。アイバーソン率いるシクサーズは05年にプレーオフへ進出するも、ブラウンHCが指揮を執るピストンズに1勝4敗で早期敗退となった。
あの時の発言が、シクサーズの将来を変えてしまったということはさすがにないだろう。だが、誰もがエースと認めていたアイバーソンに対して、これまで以上に懐疑的な意見が飛び交い、結果的に自身の評価を落としてしまったことは否定できない。