アメリカ以外の出身選手として、史上初の快挙を成し遂げたマルク・ガソル
8月末から9月15日にかけて中国で行われた「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)で、FIBAランキング2位のスペインが2006年以来2度目の優勝を飾った。
大黒柱として申し分ない活躍を見せたマルク・ガソル(トロント・ラプターズ)は、昨季ラプターズの一員としてNBAチャンピオン、さらにW杯でもチャンピオンとなり、1年のうち2度も王者へ輝くことに。
これまで、NBAチャンピオンと国際大会(W杯またはオリンピック)の金メダルを同年に獲得してきた選手は5人のみ。ガソルは史上6人目の快挙を成し遂げたのだが、これまで達成してきた5選手はいずれもアメリカ代表として達成してきたため、スペイン代表としてこの記録を残したガソルは新たな歴史を作ったと言っていい。
※チーム名は略称
■同年にNBA優勝とW杯またはオリンピック優勝を達成した選手たち
マイケル・ジョーダン(92年ブルズ/92年バルセロナオリンピック)
スコッティ・ピペン(92、96年ブルズ/92年バルセロナオリンピック、96年アトランタオリンピック)
ラマー・オドム(10年レイカーズ/10年トルコ世界選手権 ※現W杯)
レブロン・ジェームズ(12年ヒート/12年ロンドンオリンピック)
カイリー・アービング(16年キャバリアーズ/16年リオデジャネイロオリンピック)
マルク・ガソル(19年ラプターズ/19年中国W杯/スペイン代表)
トレーニングキャンプまでにオファーがなければカルデロンは引退を選択か?
9月18日(現地時間17日)、スペイン代表のポイントガードとしてもプレーした経験を持つホセ・カルデロン(現未所属)はガソルについて「彼はチームのためにプレーする。彼が気にかけているのは勝利のみなんだ」と『SiriusXM NBA Radio』へ語っていた。
そのカルデロンは昨季まで、ラプターズやデトロイト・ピストンズ、ニューヨーク・ニックスなどで計14シーズンをプレーしてきた。昨季はピストンズで49試合すべてにベンチスタートし、平均12.9分2.3得点1.2リバウンド2.3アシストを記録。
9月28日に38歳を迎える大ベテランは、ミスが少ない堅実さと高い精度を誇るシュート力が持ち味なのだが、ピストンズは今夏、デリック・ローズとティム・フレイジャーを獲得しており、カルデロンがチームに戻る居場所はなくなっていた。
だがカルデロンは今季もNBAでプレーすることを考えているという。今夏カルデロンについて「引退か?」といったウワサが流れたものの、本人はSNSで否定し、「NBAチームからオファーがないだけ。僕はフリーエージェント(FA)なんだ」と発信していた。
9月18日(同17日)に現地メディア『Hoops Hype』へ掲載されたインタビューで、カルデロンは「自分のキャリアもこの時点になると、万が一のために2、3か月もの間、練習やワークアウトを続けるのは本当にタフなことなんだ」とコメント。
そして「3、4か月かそれ以上の間、NBAシェイプのままでいるのはすごく難しいことなんだ。でもトレーニングキャンプが始まる3、4週間後までに何が起こるかなんて僕には分からないからね」とカルデロンは言う。
今季のNBA開幕時期は、W杯の影響で昨季より約1週間遅くなるのだが、トレーニングキャンプの開始時期は2パターンある。プレシーズン期間に北米以外の国や地域で試合を行うチームは29日(同28日)、そのほかのチームは10月2日(同1日)からとなる。
カルデロンは「(キャンプ開始前までに)どこかが僕へオファーしてくるかどうかは分からないよ。もしなければ、何かを決断しようとは思っている」と語っているため、もしNBAチームのトレーニングキャンプへ参加できなければ、引退を選択するかもしれない。
選手の入れ替わりが激しいNBAは、選手の平均年齢が26、27歳となっており、14シーズンもプレーしてきたカルデロンは息の長いキャリアを歩んできたことは間違いない。はたして、カルデロンはキャリア15シーズン目をプレーすることができるのか。今後の展開が気になるところだ。