シアカムとバンブリートがけん引し、ラウリーがゲームを締めて好スタート
10月23日(現地時間22日)に幕を開けたNBAの2019-20レギュラーシーズン。その先陣を切ったのは昨季の覇者トロント・ラプターズとニューオーリンズ・ペリカンズによる一戦となった。
ラプターズのホーム、スコシアバンク・アリーナで行われたこの試合、ラプターズは念願のチャンピオンリングセレモニーが行われ、ニック・ナースHC(ヘッドコーチ)やマサイ・ウジリ(バスケットボール運営部門代表)、選手たちがリングを受け取った。会場全体が最高の笑顔で包まれていたことは言うまでもない。
そんな中で迎えた開幕戦。ペリカンズは今年のドラフト全体1位指名のザイオン・ウィリアムソンが右膝負傷のため欠場。ロンゾ・ボール、ドリュー・ホリデー、JJ・レディック、ブランドン・イングラム、デリック・フェイバーズの5選手がスターターとしてコートに立った。
対するラプターズは、バックコートにカイル・ラウリーとフレッド・バンブリートというポイントガード(PG)の同時起用、フロントコートにはOG・アヌノビー、パスカル・シアカム、マルク・ガソルがスターティングラインナップに名を連ねた。
ゲームは14度の同点、15度のリードチェンジという激戦となったが、全体ではペリカンズが優勢の展開だった。ホームの熱狂的な歓声が鳴り響く中、ラプターズは第4クォーター残り1分19秒に3点ビハインドの劣勢でバンブリートが起死回生の3ポイント、残り59.0秒に2点ビハインドとなった場面では、残り29.0秒にラウリーが貴重なフリースロー2本を沈めて同点とし、初戦から延長戦へ。
延長に入ると、序盤こそペリカンズにリードを奪われたものの、ガソルの3ポイントプレーで逆転すると、ラウリー、バンブリートのショットで引き離し、最終スコア130-122で勝利を収めた。
103本放ったショットのうちミドルレンジは4本のみ、ペイントと3Pを徹底
この試合、ラプターズはリーダーのラウリーが延長に持ち込む貴重な追加点を含む22得点5リバウンド6アシスト2スティールを挙げて勝利に貢献。
だが試合後にラウリーが語ったのは、新エースのシアカムとPGバンブリートだった。
「パスカルとフレディ(バンブリートの愛称)は、このチームのヤングコアなんだ。彼らが今夜のようなパフォーマンスを見せてくれて、僕は本当にうれしい。シーズンを通じて彼らの成長を見ることができるだろうね」。
シアカムはファウルアウトしてしまったものの、34得点18リバウンド5アシストの大暴れ。バンブリートも34得点(キャリアハイ)に5リバウンド7アシスト2スティールと、2人合わせて68得点という殊勲の働きを見せた。
ちなみに、『ESPN』によると、この日のラプターズのショットチャートは103本放ったフィールドゴールのうち、40本が3ポイントだったのだが、それ以外はほぼすべてがペイントエリア内。ミドルレンジショットを放ったのは4本のみで、13得点を挙げたサージ・イバカしか放っていなかった。
そろって34得点をたたき出したシアカムとバンブリートは、積極果敢にボールプッシュし、ペイントエリアを攻め込み、得点やアシストを残していったことが分かる。
「僕らがまたこのポジションにいることができて最高に楽しいね。まだ1勝ではあるけど、再び(頂点へと)上ってみせるよ」とバンブリートが語ったように、ディフェンディング・チャンピオンのラプターズは最高のスタートを切った開幕戦だったと言っていいだろう。