2021.01.09

今季躍進するニックスのジュリアス・ランドル…専属トレーナーが語る彼の大きなモチベーションとは?

今季キャリアハイのスタッツを残し、ニックスをけん引するランドル[写真]=Getty Images
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オフシーズン中にワークアウトに励んだランドル

 今季開幕前、ニューヨーク・ニックスは組織改革に着手した。大手代理人事務所でバスケットボール部門の共同代表を務めていたレオン・ローズを、新球団社長として招へい。またボストン・セルティックスではアシスタントコーチとして優勝を経験し、シカゴ・ブルズとミネソタ・ティンバーウルブズで指揮官を務めたやトム・シボドーがヘッドコーチとなった。こうして新体制となったニックスだが、コートではとある選手の活躍ぶりが注目されている。

 ニックスでスターターに名を連ねているジュリアス・ランドルは、今季ここまで平均23.1得点12.0リバウンド7.4アシストと、いずれもキャリアハイの数字をマーク。特にアシストは昨季の3.1本の2倍以上の数字を記録しており、今季はインサイドでディフェンスを引きつけながら、味方のショットへつなげる場面も散見される。オールラウンダーとして覚醒しつつある彼だが、ランドルのトレーナーであるタイラー・レルフがその理由について語ったそうだ。『New York Post』が報じている。

 時間はさかのぼって2019-20シーズン、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響でレギュラーシーズンが中断した際、3月にランドルは一度故郷へ帰還した。彼は10年以上ともにワークアウトをしているレルフとともに、ルーチンドリルやコンディショニングを行った。身体を絞りながらシーズンにいつでも戻れるように準備に励んでいたという。しかしプレーオフ進出の可能性がすでに絶たれていたニックスはシーズン第二幕には参戦できず、それはランドルの闘争心を大いに駆り立てたそうだ。「シーズンが再開されたなかで、ほかの選手たちは戦っているのに彼はそこに参加できないだって?それこそが彼の怒りを駆り立てた」と、レルフは語る。

オフシーズン中に取り組んだというジャンプシュートは、試合でも大きな武器になっている[写真]=Getty Images


 それからしばらくしないうちにレルフの携帯が鳴った。ランドルからだ。「ワークアウトをしよう」という言葉にレルフは「もちろん」と答えると、ランドルは練習場所と時間について聞いたうえで「今いる場所にそのままとどまっていてくれ」と話した。そうして「ダラスへ戻る。そこで家を購入するから合流しよう」という彼の言葉に、レルフは思わず静かに笑ったという。「長い間彼のことは見てきた。あれは冗談なんかじゃなかったのさ」と、当時の出来事を語った。

 それから2人は朝の6時に起きると、おもにフットワークとジャンプシュートに取り組んだそうだ。レルフいわく、時に休憩を取らないで90分間ずっと練習を続けたこともあったそうだ。「彼は休みたいと思っていたかもしれない。けれどそうしなかった。それを毎日だ」と話す。事実このワークアウトによって、今季ランドルはフィールドゴール平均48.5パーセント、3ポイントシュートは34.4パーセントを記録し、フリースローは77.8パーセントとキャリアハイをマークしている。

 1月9日(現地時間8日)の時点でニックスは戦績5勝4敗を記録。そのなかには3連勝も含まれており、きっと躍進しているランドルの活躍がチームにポジティブさをもたらしているはずだ。リーグ屈指のフランチャイズ球団は本格的な再建の道を歩みだしているが、近い将来彼がチームにおいて重要な選手になっていくのかもしれない。

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