2021.12.10

米人気NBAメディアが今季最高のオフェンスチームやサプライズチームを選出

米人気メディアが今季のベストチームなどを選出[写真]=Getty Images

 NBAの2021-22シーズンは早くもレギュラーシーズンの25試合以上を消化。開幕前のパワーランキングは一変し、下馬評を覆す躍進を遂げたチームもあれば、少しずつ勢いに衰えが見え始めたチームを表れ、例年どおりプレーオフ圏内・圏外では熾烈な勝率争いが繰り広げられている。

 米人気NBAメディア『Fadeaway World』は、ここまでの統計データを踏まえ、各カテゴリーのベスト・ワーストチームを発表。パワーランキングはもとより、エンタメ性の高いチームやサプライズを巻き起こしているチームなど、データ以外の観点からもユニークな球団がピックアップされている。

ベストチームにはウェストの絶好調チームが選出

 ベストチームは言わずもがな、ゴールデンステイト・ウォリアーズだ。本稿執筆時点で21勝4敗と、勝率はリーグトップの84パーセントをマーク。オフェンシブレーティングはリーグ4位ながらも、ディフェンシブレーティングとネットレーティングでは堂々の1位にランクインしており、ディフェンシブレーティングは30球団で唯一100点以下、ネットレーティングは圧巻の12.9得点を記録している。

 もちろん、その原動力はエースのステフィン・カリーで、1試合平均得点ではケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)に次ぐ27.5得点と絶好調。NBA記録達成が期待されている伝家の宝刀の3ポイントシュートに関しては、2位のバディー・ヒールドに40本以上の差をつけ、トータル132本を決めている。圧倒的なチーム力は、クレイ・トンプソンの復帰でさらに厚みを増すことが確実で、王朝復活に向けて盤石の体制が整いつつある印象だ。

ベストチームはウォリアーズに。トンプソンが復帰すればさらに盤石になるだろう[写真]=Getty Images


 一方、不名誉なワーストチームには、デトロイト・ピストンズが選出された。ピストンズは今シーズンリーグ最低の4勝にとどまっており、再建中とはいえ、フロントもファンも見るに耐えない状況が続いている。しかし、最近はドラフト1位のケイド・カニングハムが調子を上げてきており、先日は2010年のカリー以来となるルーキー選手の25得点、5リバウンド、5アシスト、5本の3ポイントを達成。楽しみな選手は多いものの、今シーズンは未来の主力の育成と、ドラフト指名権のためのタンクに終始する1年となりそうだ。

ワーストチームのピストンズは、カニングハムを中心に育成を進める1年となりそうだ[写真]=Getty Images


 ベストオフェンスチームには、シャーロット・ホーネッツがピックアップ。カリー、デュラント、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)らスター選手を擁しても、破壊力はラメロ・ボールがけん引するホーネッツのオフェンス陣には敵わない。1試合平均112.5得点はリーグで3本の指に入り、ポゼッションは2771回でリーグ1位、機動力を示すペースの速さでもリーグ3位にランクイン。どこからでも得点が可能な総合力も魅力で、ボールのほか、マイルズ・ブリッジズテリー・ロジアーゴードン・ヘイワードケリー・ウーブレイJr.の計5選手が1試合平均15得点以上をマークしている。

ベストオフェンスチームのホーネッツは、ボールを中心に素早い展開で得点を重ねている [写真]=Getty Images


 また、エンターテイメント性の高さでは、シカゴ・ブルズが最高の評価を得た。デリック・ローズジミー・バトラー時代以来の黄金期到来を予感させる古豪は、ビリー・ドノバンが独自のオフェンスシステムを構築し、リーグ2位と上々の成績を残している。球団は、退団が噂されていたザック・ラビーンに、ニコラ・ブーチェビッチデマー・デローザンというオールスタークラスの選手をプレゼント。

 そこにリーグトップクラスのゲームメイキング力を誇るロンゾ・ボールと、ベンチからエナジーをもたらすアレックス・カルーソを迎えた新体制は、想像以上の化学反応を起こし、オフェンス・ディフェンスの両レーティングでトップ10を堅守している。さらに、ドラフト38位で加入した地元出身のアヨ・ドスンムも持ち前のハッスルを遺憾なく発揮し、献身的なディフェンスやコーナースリーでファンを沸かせることもしばしば。ドノバンHCやデローザンからも高い評価を受け、今後が楽しみな選手と言えるだろう。

ブルズはデローザン(左)とラビーン(右)を中心にリーグ上位の成績を残している [写真]=Getty Images


 今シーズン最大のサプライズチームには、ワシントン・ウィザーズが選ばれた。エースのブラッドリー・ビールにおんぶに抱っこだったワンマンチームは、カイル・クーズマモントレズ・ハレル、ケンテイビアス・コールドウェル=ポープ、スペンサー・ディンウィディーら新加入選手により一変。ウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチの招聘やラッセル・ウェストブルックのトレードは大成功に終わり、実力拮抗するイースタン・カンファレンスで5位をキープしている。八村塁の復帰という楽しみなカードも残っており、今年はプレーオフ進出が現実味を帯びていると言えるだろう。

ウィザーズはハレルら新加入選手の活躍でイーストの上位に食い込んでいる[写真]=Getty Images


 なお、その他のカテゴリーでは、最も期待外れなチームにロサンゼルス・レイカーズ、アウェーで絶好調のベストロードチームにはフェニックス・サンズが選出されている。

 文=Meiji

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