2022.04.01

メイウェザーが休養を取るNBA選手を非難「ケガをしていないならプレーするべき」

メイウェザー(中央)がNBA選手のロードマネジメントを非難[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 フロイド・メイウェザーは、自身のキャリアを50戦50勝で終え、史上初めて無敗のまま5階級制覇を達成したボクシング界のレジェンドだ。“TBE(The Best Ever)”の異名を持つメイウェザーが、NBA選手に苦言を呈している。

 しばしばNBA観戦に訪れるメイウェザー。もしかすると、これはその際に目当ての選手を見れなかった故の発言かもしれない。

「あいつら(NBA選手)は数試合プレーしては数試合休養を取る。それをクールだとは思えない。それだけ多くの稼ぎがあり、ケガをしていないのであれば、コートに出てプレーする必要がある。なぜなら、人々はNBA選手を見て楽しむために大金を払っているんだ」

 恐らく、メイウェザーが言及しているのは、ロードマネージメント(選手の負荷管理)についてだろう。近年、主力選手の一部は過労によるケガのリスクを回避するべく、コーチングスタッフとの相談から遠征の帯同を見送ったり、休養を選択してコートサイドで仲間の活躍を見守ることがある。

 カワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)は、最もロードマネージメントを行う選手の1人として知られている。レナードはキャリアを通してケガと付き合っているため、自身のコンディションを注意深く見守っている。

レナードはロードマネジメントでケガのリスクを回避している[写真]=Getty Images


 また、ロードマネージメントといえば、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)と1人の少女の一連のできごとも話題になったばかり。ウォリアーズは3月8日(現地時間7日)、デンバー・ナゲッツとの一戦でカリーに休養を与えていた。その会場にはカリーを一目見ようと長年の貯金を費やし、手作りのボードを片手に1人の少女が観戦に訪れていたが、カリーの欠場を知るや否や大号泣。その事実を知ったカリーとウォリアーズの広報は次の試合のチケットをプレゼントし、少女は念願のカリーと出会うわけだが、こうした事例は山ほどあるだろう。


 こうしたロードマネージメントについては、かのコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)も過去に苦言を呈しており、コービーはメイウェザーと同じような意見を述べ「クレイジーだ」と一蹴している。

 その一方で、長いシーズンを戦い抜くうえで、主力の欠場ほどチームにダメージを与えるものはない。1戦も落とせないポストシーズンに備え、レギュラーシーズンに無駄な稼働を避けて疲労の蓄積とケガを避けるのは、戦略的には賢い選択ともいえる。

 賛否両論あるロードマネージメント。どちらの主張も正論に聞こえるため、しばらくは議論が続きそうだ。

 文=Meiji

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