2023.05.11

今季のオールNBAチームでドンチッチとSGAは46年ぶりの珍事、ヤニスは直近50年間で初の快挙

ファーストチーム入りしたドンチッチ(左)とギルジャス・アレクサンダー(右)[写真]=Getty Images
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プレーオフ出場を逃したドンチッチとSGA、ヤニスは5シーズン連続の満票
今季のオールNBAチーム発表で最大の勝者はセルティックスのデュオか?

 5月11日(現地時間10日、日付は以下同)。NBAは2022-23レギュラーシーズンのオールNBAチームを発表し、今シーズンの“ベスト5”と評されるオールNBAファーストチームにはヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)、ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、SGAことシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(オクラホマシティ・サンダー)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)が選ばれた。

 100名のスポーツライターと放送関係者たちによる投票で、ファーストチーム票が5ポイント、セカンドチーム票が3ポイント、サードチーム票では1ポイントが換算され、アデトクンボがファーストチーム票100を獲得し、満場一致の500ポイントで選出。

 ギリシャ出身の規格外の万能戦士は、2018-19から2022-23までの5シーズンで、いずれもファーストチーム票100でオールNBAファーストチーム入り。『ESPN Stats & Info』によると、5シーズン連続でオールNBAファーストチームに満票で選ばれた選手は過去50シーズンで初の快挙だという。

5シーズン連続で満票のファーストチーム入りとなったアデトクンボ[写真]=Getty Images

 なお、今シーズンのオールNBAファーストチームにはギルジャス・アレクサンダー、ドンチッチという若手ガードが2人名を連ねたのだが、サンダーはウェスタン・カンファレンス10位の40勝42敗でプレーイン・ゲーム敗戦、マブスは同11位の38勝44敗と、いずれもプレーオフ出場を逃していた。

 オールNBAファーストチームにプレーオフへ進出できなかった選手が2人も入ったのは、ニューオーリンズ・ジャズのピート・マラビッチ、フェニックス・サンズのポール・ウェストファルが選ばれた1976-77シーズン以来初で、実に46年ぶりとなった。

 その一方で、今シーズンはリーグ平均で114.7得点というNBA史上9位のハイアベレージを記録。エンビードが平均33.1得点でトップに立ったほか、ドンチッチ(平均32.4得点)、ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード(同32.2得点)、ギルジャス・アレクサンダー(同31.4得点)、アデトクンボ(同31.1得点)、テイタム(同30.1得点)と、計6選手が平均30.0得点の大台をクリア。『ESPN Stats & Info』によると、1シーズンで平均30.0得点以上が6人というのは、1961-62シーズンと並んでNBA史上最多だという。

 それを象徴するかのように、今シーズンのオールNBAファーストチームにはリラードを除く5選手が選出された。同チームの5選手がいずれもシーズン平均30.0得点以上をマークしたのは1961-62シーズン以来初、NBA史上2度目の珍事となった。

 1961-62シーズンにオールNBAファーストチーム入りしたのはフィラデルフィア・ウォリアーズのウィルト・チェンバレン(平均50.4得点)、ロサンゼルス・レイカーズのエルジン・ベイラー(同38.3得点)、セントルイス・ホークスのボブ・ペティット(同31.1得点)、レイカーズのジェリー・ウェスト(同30.8得点)、シンシナティ・ロイヤルズのオスカー・ロバートソン(同30.8得点)の5選手。

初のオールNBAチーム入りとなったブラウン[写真]=Getty Images

 なお、今シーズンにオールNBAセカンドチーム入りを飾ったことで、ジェイレン・ブラウン(セルティックス)は今夏に5年2億9500万ドル(約395億3000万円)というNBA史上最高額となるスーパーマックス契約を結ぶ資格を有した。

 そしてチームメートのテイタムは、2シーズン連続のオールNBAファーストチーム入りを果たしたことで、2024年の夏に5年3億1800万ドル(約426億1200万円)という超巨額なスーパーマックス契約を結ぶことができることになったと『ESPN』が報じている。

 その一方で、オールNBAチーム入りを逃したことで、2019年のドラフト指名組で昨夏マックス額の延長契約を結んだジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)、ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)、ダリアス・ガーランド(クリーブランド・キャバリアーズ)の契約総額は、2億3100万ドル(約314億1600万円/昨夏時点のレート)ではなく1億9300万ドル(約262億4800万円/昨夏時点のレート)に。

 また、ジャマール・マレー(デンバー・ナゲッツ)やパスカル・シアカム、フレッド・バンブリート(ともにトロント・ラプターズ)はオールNBAチームに落選したことで、スーパーマックス契約を結ぶ資格を手にすることができなかった。