2018.05.07
5月5日、すでに「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」への出場を決めている千葉ジェッツと琉球ゴールデンキングスが、超満員となった船橋アリーナで相まみえた。
千葉は地区優勝までマジック「1」と重要なゲーム、琉球としても4月からスタートした強豪との対戦も千葉でラスト。いかにいい流れで翌週から始まる、絶対に負けられない戦いへ臨むか注目の一戦となった。
まずは琉球がいい流れでゲームに入っていく。持ち味でもある激しいプレッシャーを掛け、相手にリズムを与えない。さらにオフェンスではコート上で5人が連動性を持って、オープンを作り得点を重ねる。ベテランの石崎巧が3ポイントシュートを鮮やかに決めれば、インサイドではハッサン・マーティンが活躍。最後3分間で突き放し、14-20とリードを広げた。
第2クォーターの序盤は一進一退の攻防。両チームともに我慢をし続けていく展開の中で、琉球がこのゲーム最大の9点差をリードしていく。しかし、残り3分半から流れが千葉に。インサイドを徹底的に突き、リズムを引き寄せる。ギャビン・エドワーズとマイケル・パーカーの2人がチームをけん引、一気にスコアを縮め、34ー35で後半へと進んでいった。
第3クォーターは序盤千葉のペースでゲームが進み、再びマイケル・パーカーの活躍で一時逆転。それでも琉球は再びディフェンスから流れを引き寄せ、オフェンスでも果敢なドライブから相手に的を絞らせない。ラストプレーでは綺麗にパスがつながり、最後はハッサン・マーティンが豪快にスラムダンクを決め、テンションが高いまま2点リードで最後の10分間を迎える。
そんな中で迎えた第4クォーター、最初のプレーで琉球のヒルトン・アームストロングがファウルアウト。さらにはヘッドコーチへのテクニカルファウル。その中で彼だけは冷静な表情を見せていた、このゲームでMVPを獲得した千葉の石井講祐。「冷静にいつもどおりにゲームには入れたし、自分のやるべき事をやっただけ」と語った言葉どおり、ディフェンスでは重要な場面でスティールを決めれば、オフェンスでも持ち味のアウトサイドシュートを沈める。彼の活躍で、チームはさらに攻守のインテンシティが一気に上がった。それに対して琉球は局面でミスを犯してしまい、流れをつかめない。加えてアームストロング不在でインサイドで軸を作れず、苦しんだ。その流れの中で千葉は小野龍猛が2本連続の3ポイントを決め、点差を2ケタに広げる。それでも琉球も最後まで激しく強くプレーをし続けて、残り14秒で4点差まで追いあげるが、最終的には80ー76と千葉が勝利を収め、激戦区となった東地区の地区優勝を決めた。
千葉の大野篤史HCがゲーム後、「我慢をし続け、最後までしっかりとやるべき事をしたのは素晴らしかった。地区優勝は通過点だけど、チームにとってはこのタイミングでのタイトルは大切」と語れば、琉球の佐々宣央HCは「課題でもある重要な局面でのミスが今日も出て悔しいし、それが自分たちの実力。だけど、終盤の追いあげのような諦めない姿は今後に繋がる」と両チーム何かをつかんだゲームになったであろう。いい流れで絶対に負けられない戦いに臨むために、ラストゲームは重要な一戦となるのは間違いない。
文・写真=鳴神富一
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