2018.05.06

千葉ジェッツが激戦の東地区を勝ち抜く、琉球ゴールデンキングスを4点差で下し地区優勝達成

5日の試合で琉球を下し、東地区優勝を決めた千葉[写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

ハードでフィジカルなゲーム、我慢の展開の中で勝負を分けたのは重要な場面でのインテンシティ

 5月5日、すでに「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」への出場を決めている千葉ジェッツ琉球ゴールデンキングスが、超満員となった船橋アリーナで相まみえた。

 千葉は地区優勝までマジック「1」と重要なゲーム、琉球としても4月からスタートした強豪との対戦も千葉でラスト。いかにいい流れで翌週から始まる、絶対に負けられない戦いへ臨むか注目の一戦となった。

 まずは琉球がいい流れでゲームに入っていく。持ち味でもある激しいプレッシャーを掛け、相手にリズムを与えない。さらにオフェンスではコート上で5人が連動性を持って、オープンを作り得点を重ねる。ベテランの石崎巧が3ポイントシュートを鮮やかに決めれば、インサイドではハッサン・マーティンが活躍。最後3分間で突き放し、14-20とリードを広げた。

 第2クォーターの序盤は一進一退の攻防。両チームともに我慢をし続けていく展開の中で、琉球がこのゲーム最大の9点差をリードしていく。しかし、残り3分半から流れが千葉に。インサイドを徹底的に突き、リズムを引き寄せる。ギャビン・エドワーズマイケル・パーカーの2人がチームをけん引、一気にスコアを縮め、34ー35で後半へと進んでいった。

エドワーズは第2クォーターで8得点をマーク[写真]=鳴神富一

 第3クォーターは序盤千葉のペースでゲームが進み、再びマイケル・パーカーの活躍で一時逆転。それでも琉球は再びディフェンスから流れを引き寄せ、オフェンスでも果敢なドライブから相手に的を絞らせない。ラストプレーでは綺麗にパスがつながり、最後はハッサン・マーティンが豪快にスラムダンクを決め、テンションが高いまま2点リードで最後の10分間を迎える。

 そんな中で迎えた第4クォーター、最初のプレーで琉球のヒルトン・アームストロングがファウルアウト。さらにはヘッドコーチへのテクニカルファウル。その中で彼だけは冷静な表情を見せていた、このゲームでMVPを獲得した千葉の石井講祐。「冷静にいつもどおりにゲームには入れたし、自分のやるべき事をやっただけ」と語った言葉どおり、ディフェンスでは重要な場面でスティールを決めれば、オフェンスでも持ち味のアウトサイドシュートを沈める。彼の活躍で、チームはさらに攻守のインテンシティが一気に上がった。それに対して琉球は局面でミスを犯してしまい、流れをつかめない。加えてアームストロング不在でインサイドで軸を作れず、苦しんだ。その流れの中で千葉は小野龍猛が2本連続の3ポイントを決め、点差を2ケタに広げる。それでも琉球も最後まで激しく強くプレーをし続けて、残り14秒で4点差まで追いあげるが、最終的には80ー76と千葉が勝利を収め、激戦区となった東地区の地区優勝を決めた。

石井は3本の3ポイントを含む16得点の活躍で勝利に大きく貢献[写真]=鳴神富一

 千葉の大野篤史HCがゲーム後、「我慢をし続け、最後までしっかりとやるべき事をしたのは素晴らしかった。地区優勝は通過点だけど、チームにとってはこのタイミングでのタイトルは大切」と語れば、琉球の佐々宣央HCは「課題でもある重要な局面でのミスが今日も出て悔しいし、それが自分たちの実力。だけど、終盤の追いあげのような諦めない姿は今後に繋がる」と両チーム何かをつかんだゲームになったであろう。いい流れで絶対に負けられない戦いに臨むために、ラストゲームは重要な一戦となるのは間違いない。

勝率でも琉球を上回った千葉は、チャンピオンシップ準決勝までホームで戦うことができる[写真]=鳴神富一

文・写真=鳴神富一

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