2018.06.15
6月15日(東京・大田区総合体育館)、17日(宮城・ゼビオアリーナ仙台)に開催される「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2018」。韓国代表を招いて行われるこの一戦は、男子日本代表にとってニック・ファジーカス、八村塁をいう新戦力が加わるWindow3を前に、チーム作りの観点からも重要な意味を持つと言えるだろう。そこで、ここでは日韓戦の歴史、さらに韓国代表の現状を紹介したい。
しかもその3戦にしても、韓国はただ敗れているわけではない。1997年FIBAアジア選手権と2009年東アジア競技大会では敗れたあとに修正しながら優勝まで駆け上がっており、昨年の東アジア選手権は若手中心で準優勝の成績を収めている。その後、8月に行われたFIBAアジアカップではベストメンバーを揃えて81-68で日本に勝利。さらには3位決定戦でニュージーランドを下して銅メダルを獲得したことからも、やはり一枚上手の相手だといえる。
韓国と対戦すればフィジカルやスタミナの強さに屈し、組織的なプレーに翻弄されて完敗を喫してきた。また粘った試合でも、勝負所でのシュートの正確さやディフェンスのチェンジングといった駆け引きで惑わされてしまうことが多かった。その試合巧者ぶりが韓国の特徴であり、ここ数年は機動力ある2メートル級選手が多く出現しているのも強みである。
FIBAワールドカップ1次予選において、韓国のここまでの戦いでは2勝2敗。中国には敗れているが、香港に勝利し、強豪のニュージーランドには1勝1敗。アジアカップでの2勝を加えると、すでにこの1年でニュージーランドから3勝をあげるほどの力がある。Window3では中国と香港とのアウェー戦を残しており、2連勝を目指している。
また、昨シーズン(2017-18)KBLでレギュラーシーズンMVPを受賞した得点力あるガードのドゥ・ギョンミン(184センチ、26歳)と、Window1のニュージーランド戦で3ポイントを爆発させたチョン・ジュンボム(191センチ、26歳)という、勢いがあるシューター2選手が不在。2人は兵役に就いたばかりであり、新兵に課せられる基礎訓練を受けるために今回は辞退に至った。主力センター3人と3ポイントの得点源を一気に失った韓国は、チーム構成の面で大きな課題に直面している。
チームの中心となるのは、司令塔のキム・ソニョン、ポイントゲッターのイ・ジョンヒョン、サウスポーの万能型選手のイ・スンヒョン。彼ら3本柱を軸に、チェ・ジュニョン、カン・サンジェ、キム・ジュニルといった2メートル級の若手が成長しており、さらには昨シーズン、Gリーグ(NBAの育成リーグ)に挑戦したイ・デソンも攻防両面でカギを握る存在として浮上している。これらの個性派を現役時代に「バスケの大統領」と呼ばれたホ・ジェ監督が率いる。今回の日本戦では、新戦力を鍛えながらもチーム力を融合させる場となるだろう。
文・写真=小永吉陽子
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