2023.04.27

【注目の新卒選手#5】富山・喜志永修斗とはどんな選手? 「常に仲間へ指示を出し、鼓舞し続ける“コート上の監督”」

専修大学から富山グラウジーズに加入した喜志永[写真]=Bリーグ
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 この春に大学を卒業し、いよいよBリーグでプロアスリートとして本格的なキャリアをスタートさせる“新卒”の選手たち。バスケットボールキングでは、そんな選手達のなかでも特に注目すべき5人の選手をピックアップして、その経歴やパーソナリティーを紹介する。5人目に紹介するのは、富山グラウジーズ喜志永修斗だ。

文=小沼克年

■コートにいるだけで安心感や心のよりどころに

 ここ数カ月、富山グラウジーズのブースターは「残留」という言葉が頭から離れない日々を過ごしていることだろう。その一方で、2月からは夜道を照らす明るい光のような存在に惹きつけられているのではないだろうか。

 喜志永修斗。豊浦高校時代からエース兼キャプテンとして名を馳せ、専修大学でもチームキャプテンとして中心を担った男は、富山でもすでに必要不可欠な存在となっている。

 喜志永の魅力は多々ある。まずは得点力。高校3年次のウインターカップでは、明成高校との試合でチームの総得点である58点のうち30点を1人でたたき出し、専修大に進学した当初も「大学でも点が取れるポイントガードになりたい」と目標を口にしていた。4月19日に行われた三遠ネオフェニックス戦ではキャリアハイの22得点をマークし、プロの舞台でも自身の得点力を示したと言えるだろう。

豊浦高校時代の喜志永[写真]=新井賢一


 フィジカルの強さも武器であり、それを生かしてディフェンスだけでなくリバウンドに絡めることも彼の持ち味だ。司令塔に必要なゲームコントロール、リーダーシップにも長け、喜志永がコートにいるだけチームメートは安心感や心のよりどころが生まれる。バスケットでは『ポイントガードは「コート上の監督」』と例えられることがしばしばあるが、常に仲間へ指示を出し、鼓舞し続ける背番号10はまさにそんな存在だ。

 大学時代には2年連続で膝のケガに苦しんだ過去もある。それでも這い上がり、ラストイヤーのリーグ戦では8月の初戦から復帰を果たした。以降も喜志永はコートに立ち続け、この年のリーグ戦では優秀選手賞に選ばれている。

 大学最後のインカレはベスト8で涙をのんだものの、特別指定選手として加わった富山では出場2試合目から約25分間のプレータイムを得た。現在は19試合で先発ポイントガードを担い、平均出場時間は25分15秒に及ぶ。今シーズンのB1特別指定選手のなかでは一際長くプレーしており、ルーキーという立場では河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)の28分15秒に次ぐ数字だ。
 
 喜志永修斗も残留――。

 チームのB1生き残りを願うと同時に、富山ブースターはきっとそんな気持ちにもなっているのではないだろうか。 

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