2023.09.29

【B1クラブ展望/A東京】指揮官の意図が明確に反映された陣容で王座奪還を目指す

アドマイティスHC体制2季目のA東京は5年ぶりの優勝を目指す [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 昨シーズン、バスケを国技とするリトアニアから同国代表チームのヘッドコーチ経験を持つデイニアス・アドマイティス氏を招聘。4年ぶりのタイトル奪還を目指したアルバルク東京だが、一昨シーズンの成績は上回ったものの、CSセミファイナルで千葉ジェッツになす術なく敗れてシーズンを終えた。

 経験豊富なアドマイティスHCにとって、週末に連戦があるなど初めてのBリーグに戸惑うことも多かったが、シーズン終盤にはアジャスト。それだけに2シーズン目の今季にはさらなる飛躍が期待される。さらにオフには戦力整備にも余念がなかった。

 最初に手をつけたのがPGのポジション、3選手を放出し、経験豊富な橋本竜馬、ポテンシャルの高さは折り紙付きのテーブス海、得点力に長けた福澤晃平を迎え入れた。「それぞれ違う持ち味を発揮してくれるはず」と指揮官も期待を寄せる。

 外国籍選手も2名が新加入。ワールドカップでブラジル代表として活躍したレオナルド・メインデルはウイングプレーヤー。アルトゥーラス・グダイティスはペイントエリアで力を発揮するセンターと、こちらにも期待は大きい。

 ケガ人が複数出てフルメンバーで戦いきれないシーズンが続いている。アドマイティスHCは「まずは全員がケガなく、チームで乗り切りたい」と意気込みを語る。長く主力として活躍した田中大貴もチームを離れたが、様々な1つのことにこだわり優勝を目指そうと決まった2023−24シーズンのチームスローガン「ONE FOCUS」のごとく、選手“1”人ひとりがレベルアップしたい。苦しいシーズンを乗り切った安藤周人小酒部泰暉らがさらなる成長を果たせば天皇杯優勝、リーグ制覇が見えてくるはずだ。

■KEY PLAYER/SF #8 吉井裕鷹

日本代表としてワールドカップでも活躍した吉井に期待 [写真]=B.LEAGUE


 今夏のワールドカップではローテーションの一角を担い、ダイナミックなプレーで日本代表になくてはならない戦力に成長したことを示した。そんな吉井だが、自チームでは外国籍選手からプレーイングタイムをいかに奪うかという立場にある。

 当然求められるプレーにも差異が生じるが、「それで2倍成長できる」と吉井はポジティブに受け止める。「代表クラスの選手とマッチアップできるのも得難いこと」と、普段の練習から自身を高めようとしている。

文=入江美紀雄

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