2024.02.05
Bリーグ2023-24シーズンの開幕から快進撃を続けるアルバルク東京と長崎ヴェルカ。A東京はリーグ随一のディフェンス力を披露して2018-19シーズン以来のリーグ制覇を狙う。一方、長崎はB1初年度にも関わらず持ち前のスピードに乗ったオフェンスを武器に強豪がひしめき合う西地区で上位をキープする。
この2チームが12月13日にアリーナ立川立飛で行われる天皇杯3次ラウンドで初めて公式戦で相まみえる。さらにその週末には戦いの場を長崎のホーム、長崎県立総合体育館に移してBリーグのレギュラーシーズンで激突! 実に3連戦が予定されているのだ。
A東京と長崎は何かと関わりの深いチーム同士であることは多くのファンは認知しているところだろう。そこで、今回、A東京からザック・バランスキー、長崎から馬場雄大に登場いただき対談を実施。馬場選手にとっては古巣との対戦、またザック選手にとってはA東京のスタッフだった長崎の伊藤拓摩GMや前田健滋朗ヘッドコーチとの再会を楽しみにしているとのこと。早速、2人の対談をお伝えしよう。
取材協力=アルバルク東京、長崎ヴェルカ
インタビュー=入江美紀雄
構成=吉川哲彦
――最初の優勝と2回目の優勝は違うものでしたか?
馬場 違いましたね。2回目はバックトゥバックを目指す中で、レギュラーシーズンで上手くいかない時もありつつ、ワイルドカードから全員でプレッシャーをはねのけて掴み取った。連覇の難しさと、「チーム一丸ってこういうことなんだ」というのを学んだシーズンでした。
――さて、アルバルクとの試合を控えて、馬場選手は相手をどう見てますか?
馬場 すごい選手を集めてきたなという印象です。チームとしてもHCの方針を徹底していて、優勝候補筆頭だと思います。
――アルバルクは選手の入れ替えもあった中で、まとまりがあって強さを見せてる要因は何なんでしょうか?
ザック 新加入選手の5人がみんなそれぞれキャリアでいろいろ経験して、バスケIQも高いし、コミュニケーションもよく取って早くチームに馴染もうというのが伝わってきます。既存の選手も含めてみんながチームのために動いてるのが良いのかなと思いますね。やってて楽しいですよ。タイムシェアもしてるし、戦術を遂行しないといけない中でも結構自由度はあって、信頼関係がお互いにある。新加入選手が多い分、まだまだ良くなっていくと思ってます。
――長崎はどんなチームですか?
馬場 B2から上がってきて、全てが初めてなのでチャレンジャー。成長率次第でどこまでもいけるチームだと思いますし、シーズン序盤でアルバルクのようなトップチームと戦えて、さらに成長できると思ってます。僕はプレースタイルを何も変えてないんですよね。本当にチームのやり方に僕のスタイルがフィットしています。
ザック 何回かビデオを見ました。本当に速い展開のバスケで、爆発力の塊というか、乗せたらめちゃくちゃ面倒くさいチームだろうなって思いますね。伊藤拓摩GMがHCの時に作り上げたものを、前田(健滋朗)HCがしっかり引き継いでるんだと思います。
馬場 それがヴェルカスタイル。5アウトのチームも多くはないと思うので、日本代表みたいに結果を出してリーグに新しい風を吹かせられると思ってます。あと、ファンがすごく熱狂的なんですよ。自分たちの声も聞こえなくなるくらい、ファンが声を出してくれる。対戦相手は嫌だろうなと思います。ザックさん楽しみにしててください。
ザック うるさければうるさいほど、黙らせるのが気持ちいいよね。
――アルバルクを倒す策はありますか?
馬場 僕たちのバスケをしたら勝てます。彼らのテンポに持っていかれなかったら負けないと思います。
ザック 長崎に限らず、相手がどこでも自分たちがどういうバスケをするか、自分たちのやりたいバスケを遂行できるかどうか。長崎に関しては本当に勢いに乗せない、速い展開でやらせないこと。長崎のホームはめちゃくちゃうるさいって今聞いたので、それを楽しみつつ全力でやりたいと思います。
――なるほど。では最後に、3連戦に臨む気持ちと、ファンへのメッセージをお願いします。
ザック 天皇杯は一発勝負で、リーグとはまたちょっと違う雰囲気になると思うし、その週末のリーグ戦はCSに出るための大事な2連戦。お互いのプレーがわかっていく中で、どれだけ我慢して正しい判断ができるか。あとは、ファンの皆さんの後押しもすごく大事になる。みんなで『ONE FOCUS】』で、1個の目標に向かって進んでいきたいです。
馬場 久しぶりにアリーナ立川立飛に帰れるので、ホームのようなアウェーのような雰囲気がすごく楽しみです。チームとしては、僕たちは1個ずつ積み上げてきている中で、B1でトップを走ってきたアルバルクさんに対して何ができるか、何ができないのかを試合を通じて明確にしていくことで、目標が近づいてくると思ってます。ザックさんもそういうタイプだと思うんですが、こういった環境を楽しんでいる姿をファンの皆さんにも見ていただきたいです。長崎のみならず、リーグのファンの皆さんが盛り上がってるので、その熱を広げていけるように頑張っていきたいです。
※次回は長崎の伊藤拓摩GMとA東京の伊藤大司GMの対談をお届け。三重県鈴鹿市に生まれ、ともに高校からアメリカに留学した伊藤兄弟のチーム作りのフィロソフィーなどを聞いていく。
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