2018.07.24

インハイ女子注目校(5)大阪薫英女学院「苦難の1年を乗り越え、総力戦で上位を目指す」

シューティングガードを務める福島梓[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の女子注目校8つをピックアップした。

■女子注目校(5)大阪薫英女学院高校(大阪府)

 大阪薫英女学院にとって、昨年は苦しんだ1年だったと言える。インターハイは第2シードに位置しながら、3回戦で明星学園高校(東京都)のゾーンディフェンスを攻めきれずに敗退。ウインターカップはライバル、大阪桐蔭高校(大阪府)に出場権を奪われてしまった(大阪桐蔭はそのままウインターカップ制覇)。

 全国での上位復活を目指す今年はエースの北川聖(3年)とオールラウンダーとして成長中の森岡奈菜未(2年)を中心に据え、その脇を個性的なキャラクターで埋めていく。安藤香織コーチも「総力戦」を想定しているほどだ。近畿ブロック大会こそ、その北川が大会前に足首をねん挫し出場を取りやめたが、その状態で大会を制したことは、安藤コーチが目指す総力戦に少しずつ光が差し込んできた証拠でもある。

チームの中心選手である2年生の森岡[写真]=三上太

 シューティングガードの福島梓(3年)と、北川のバックアップとしてポイントガードを務めた福田希望(2年)は、中学時代にセンターを経験したこともあるため、状況に応じてポストアップから得点できる。清水咲来(3年)は近畿ブロック大会決勝戦の後半に積極的なドライブを連発し、チームを勝利に導いた立役者。塩谷心海(2年)や藤井七帆、木下風奏(ともに1年)もインサイドで献身的なプレーができる。そこに北川のドライブや3ポイントシュートが加わり、森岡がオールラウンドに得点に絡んでいくわけだ。その森岡は出場できなかった昨年のウインターカップ期間中に体作りに取り組み、またU17女子日本代表の強化合宿でもフィジカルコンタクトへの意識を高めてきた。「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ2018」直後の参戦だが、彼女のプレーには注目したい。

「(インターハイでは)どこのブロックに入っても安住の地はない。でも逆に言えばチャンス」と気を引き締めながらも、上位進出を目指す安藤コーチ。「ディフェンスでいかにプレッシャーをかけられるか」を課題に据え、大阪1位、近畿1位の意地を今年こそ見せたいところだ。

文=三上太

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