2018.07.23

インハイ女子注目校(4)浜松開誠館「組織力を駆使し『もっと速く、もっと鋭く』」

今大会は“組織の浜松開誠館”の真価が問われる[写真]=三上太
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8月2日から8月7日にかけて愛知県の一宮市、小牧市、名古屋市で行われる「平成30年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」。『バスケットボールキング』では、今大会の女子注目校8つをピックアップした。

■女子注目校(4)浜松開誠館(静岡県)

 昨年は絶対的エースの石田悠月(現シャンソン化粧品シャンソンVマジック)を擁しながら、インターハイは2回戦で、ウインターカップは初戦で敗れた浜松開誠館。その教訓から今年は攻守ともに組織で戦うバスケットを構築している。それは2月に行われた東海ブロックの新人大会準決勝でいきなり実を結ぶ。全国屈指の強豪校、桜花学園高校(愛知県)を62-57で破ったのである。「今の3年生は中学時代のキャリアがない子たち。自信をつけるには練習をして、勝つことが大事。そういう意味であの東海新人で決勝に進んだことは選手にとっても、チームにとっても自信になりました」と、三島正敏コーチは東海ブロック新人大会をそう振り返る。

 オフェンスではコートに立った5人が絶妙なスペーシングと、ボールマンに対して動き出すタイミングを合わせて、ノーマークのシュートシーンを作り出していく。ディフェンスでは1人で2人を守れるポジショニングを取ることで、サイズのなさをカバーしようとしている。その精度は徐々に上がってきており、6月の東海ブロック大会の準決勝では安城学園高校(愛知県)とオーバータイムにもつれこむ接戦を演じている。2月の東海新人では19点差で完敗したチームと対等に戦えるまでに成長した証拠でもある。

中心選手である鈴木は大会直前までU17W杯に参戦中のため、合流がギリギリになる[写真]=三上太

 もちろん組織力で戦うチームであっても中心になるべき選手はいる。U17女子日本代表の鈴木侑(3年)と、U18女子日本代表候補の石牧葵(3年)である。ともに160センチ台とサイズは小さいが、持ち前の機動力と運動量でチームの根幹になっている。

「インターハイではもっと速く、もっと鋭く、ペイントアタックやペイントディフェンスをしたい。そのためには“あうんの呼吸”が必要。私に言われるのではなく、選手たちでできるようにさせたい」(三島コーチ)。

 鈴木と、他ならぬ三島コーチが「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ2018」に参戦中のため、チームへの合流はギリギリになる。しかし、だからこそ“組織の浜松開誠館”の真価が問われるインターハイになりそうだ。

文=三上太

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