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11月3日、富士北麓公園体育館で「令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会山梨県大会」が行われ、12月のウインターカップへ出場する同県の代表校が決定。男子の部は4チームによる決勝リーグで3つの出場枠を争い、日本航空高校、自然学園高校、県立青洲高校が冬の全国大会行きを決めた。
優勝を飾ったのは日本航空。同校は6月の関東大会を制すと、インターハイではその勢いをさらに加速させて初優勝まで駆け上がり、山梨県にウインターカップ出場枠「3」をもたらした。
今回の予選も無傷で突破を果たし、最終戦は自然学園に107-80の快勝。この試合ではポイントガードの大道一歩(2年)が得点を伸ばして序盤から主導権を握るも、第2クォーター中盤には36-35と迫られた。
日本航空の山本裕コーチは、ここでたまらずタイムアウトを請求。もう一度チームの士気を高めると、その後は再び連動した守備からオフェンスを展開してリードを拡大。危なげない試合運びで2年連続9回目のウインターカップ出場権を獲得した。
「インターハイで優勝することができて、そこから時間が経ったこともあり少しモチベーションが下がっている時期です。サボっているわけではないですが、やっぱりそこは高校生。ずっとピークの状態を保つことはできませんので、これからの約2カ月が大事になってきますし、12月の終わりに一番いい状態にもっていけるようにしたいです」
夏以降のチームは主にディフェンスの強化を図り、試合の流れを左右するプレーにも磨きをかけてきた。「うちのチームは失点が多いという課題があるので、まずはマンツーマンでしっかり守れるようにすること。ゾーンディフェンスに関してもさらに機能するように強化しています」と山本コーチ。
キャプテンの福岡恭輔(3年)は「リバウンドだけじゃなくて、ディフェンス、ルーズボールといったスタッツに残らないプレーはやっぱり盛り上がります」と話し、「練習や試合でもそういった泥臭いプレーをしっかりやっていこうと話して取り組んでいます」と、チームの先頭に立って底上げを図っている。
「やっぱりベンチプレーヤーですよね。スタートで出る選手だけじゃなくて、ベンチから出るメンバーがエネルギーを与えることも非常に重要です。 7番手、8番手、できたら9番手、10番手くらいまで選手層を厚くできたらいいなと思っています」(山本コーチ)
ウインターカップまでには「U18日清食品 関東ブロックリーグ」も3試合残されており、チームがもう一段階レベルアップできる可能性は十分にある。福岡は「インターハイで優勝したことで周りからの見られ方も変わったと思います。でも、そういう追われる立場も楽しんで、一試合一試合を大切に戦っていきたいです」と、落ち着いた口調でこの先を見据えた。
もう一度あの喜びを味わうため、日本航空はこれからも悔いのない日々を積み重ねる。
取材・文・写真=小沼克年