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「令和6年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)バスケットボール競技大会福岡県予選」の男子の部は、福岡大学附属大濠高校が3年ぶりの優勝を果たし、福岡第一高校が準優勝という結果で幕を閉じた。両校は今後、6月15日から行われる全九州大会を経て、地元・福岡で開催されるインターハイに挑む。
6月2日の決勝リーグ最終戦は、71-61で福大大濠に軍配が上がった。惜しくも敗れた福岡第一。しかし、井手口孝コーチは悔しさをにじませつつも、ある程度手応えを感じている様子でこう話した。
「以前は100点ゲームで負けていましたけど、少しずつ試合になりつつあります。大濠さんに付いていければ全国でも勝てる可能性はあると思いますので、もう1回、九州大会で頑張ってみます」
新チームが始動して以降、地区予選やカップ戦などでも対戦しているが、未だ福大大濠には勝てていない。4月の「飯塚カップ2024」では68-100で敗れ、この大会に出場した開志国際高校(新潟県)、東山高校(京都府)といった全国のライバルたちにも黒星を喫した。それでも、5月に行われた県内の中部ブロック予選決勝では福大大濠に63-64と肉薄。今回の県予選でも競り合いに持ち込んだ。
「少しずつ強くはなってきていますが、まだまだ練習量が足りません」と井手口コーチが言えば、キャプテンの八田滉仁もそれに同調するように課題を挙げた。「チームディフェンスは最初の頃に比べたら良くなっていますけど、もっと運動量を増やしていかないといけないです」。
「今日の試合はそこに尽きると思います。お互いのシュートの確率はあまり変わらなかったですし、その中でもリバウンドをしっかり確保できていました。そこの部分で上回ったことがこの点差につながったと思っています」
チームは主将を務める湧川裕斗とセンターの渡邉伶音を筆頭に、昨年のウインターカップ準優勝を経験したスタメン4人が今年も健在。「去年の経験値がありますし、チームとしての安定感はあると思っています」と片峯コーチは口にするが、「正直、ちょっと伸び悩み中です」と不安を漏らす。
指揮官が求めるのは、苦しい場面でチームをまとめ上げる「求心力のある選手」だ。「湧川は非常にクリエイティブなプレーができますし、伶音も中と外でしっかりプレーできます。でも、求心力のある選手がまだ出てきていなくて、私としてもそういった選手に成長させることができていないです」。
インサイドの柱を担う渡邊は、2024年に入ってからはBリーグと日本代表の活動によりチームを離れることが多かった。片峯コーチの要求に対しては、「この数カ月ですごくいろんな経験をさせてもらいました。これからは大濠での活動が増えるので、その経験をみんなに発信して、チームにいい影響を与えられる選手を目指していきたいです」と意欲を示す。
文=小沼克年