2023.04.28

日本の対戦相手が決定!…W杯組み合わせ抽選会が4月29日開催

前回大会の組み合わせ抽選は故コービー・ブライアント氏が担当した [写真]=fiba.com
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 8月25日~9月10日に開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の組み合わせ抽選会が、4月29日20時30分より、決勝トーナメントの開催地であるフィリピンのマニラで行われる。抽選会には大会のグローバル・アンバサダーを務めるルイス・スコラ氏(元アルゼンチン代表)のほか、FIBAセントラルボードの一員であるダーク・ノビツキー氏(元ドイツ代表)が登壇予定。また、日本からはローカル・アンバサダーを務める折茂武彦氏(元男子日本代表、レバンガ北海道社長)が抽選会に参加する。

 FIBAから公開された抽選方式の説明動画と日本バスケットボール協会より発表された抽選方式のリリースをもとに、ワールドカップの組み合わせ方式を紹介したい。

 まず、大会方式を説明しよう。ワールドカップは出場32チームを4チームずつAからHまでの8つのグループに振り分け、グループAからDまではフィリピンのマニラ(2会場)、グループEとFは日本の沖縄(1会場)、グループGとHはインドネシアのジャカルタ(1会場)で行われ、開催国のフィリピンと日本は、グループステージを自国で戦う。1次ラウンドは4チームが総当たりで対戦し、各グループ上位2チーム、計16チームが2次ラウンドに進出。2次ラウンドでは2試合を行ってベスト8が決定。2次ラウンドの裏では1次ラウンドで敗退したチーム間で順位決定戦も行われる。そして、準々決勝からは決戦の地をマニラに移し、一発勝負の決勝トーナメントが行われる。

日本はグループE、初戦は8月25日

 抽選会を前にして、すでにいくつかの重要項目が発表されており、4月22日にはシードポットの振り分けが行われた。以下が決定している組み合わせ抽選のルールである。

●各開催国においてはグループリーグを戦う1チ一ムがすでに発表されており、アメリカはフィリピン、スロベニアは日本、カナダはインドネシアでプレーすることが確定。ただし、会場が同じというだけで、同組になるとは限らない。

●FIBAランキング順によって、以下のようにシードポットが振り分けられ、併せて開催国のフィリピンはランキングに関係なくシードポット1に配置された。

●シードポット1・3・5・7はグループA・C・E・G、シードポット2・4・6・8はグループB・D・F・Hに配置され、各ポットから1チームがピックされて同組になる。

●地域性を重視して大陸ごとの対戦を避けるために、アジア、オセアニア、アメリカ、アフリカ大陸は各グループにつき1チームのみ。最多12チームが出場するヨーロッパ大陸は、2チーム以上は同グループにはならない。

<シードポット1> フィリピン、アメリカ、スペイン、オーストラリア
<シードポット2> フランス、セルビア、スロベニア、リトアニア
<シードポット3> ギリシャ、イタリア、ドイツ、ブラジル
<シードポット4> カナダ、ベネズエラ、プエルトリコ、モンテネグロ
<シードポット5> イラン、ドミニカ共和国、フィンランド、ニュージーランド
<シードポット6> 中国、ラトビア、メキシコ、ジョージア
<シードポット7> ヨルダン、日本、アンゴラ、コートジボワール
<シードポット8> レバノン、エジプト、南スーダン、カーボベルデ共和国

日本の相手はランキング1位のスペインか、3位のオーストラリアか

 抽選で重要となるのはシードポットの振り分けだ。前回の2019年大会で開催地の中国がシードポット1に入ったように、今回もフィリピンがポット1に振り分けられた。これが意味するものは、開催国はシードポット1の強豪国とは対戦せず、またシードポット下位のチームと対戦する「優先権利」が与えられるということ。アジアのようなランキングが低い国にとっては恩恵を受けることになる。ただ、残念なことに日本はランキング通りにポット7に振り分けられた。なぜ、共催国である日本はシードポットが優遇されなかったのか。FIBAによれば、「フィリピンが決勝トーナメントの開催地」であることが理由とされている。

 抽選のルールにより、ポット7の日本はグループEに配置され、ポット1・3・5の国と戦うことになった。すでにグループ分けが発表されているフィリピン(グループA)とアメリカ(グループC)および、地域性を重視するルールに従うと、同じアジア圏のイランの3チームを除いた中から3チームが割り当てられる。また、日本で戦うことが決定しているポット2のスロベニアがグループFになったことにより、1次ラウンドで日本とスロベニアの直接対決はなくなった。日本と同組になる可能性があるのは以下の9チームだ。

<シードポット1>スペイン、オーストラリア
<シードポット3>ギリシャ、イタリア、ドイツ、ブラジル
<シードポット5>ドミニカ共和国、フィンランド、ニュージーランド

 抽選のポイントとしては、シードポット1で日本と対戦するのが、スペインになるかオーストラリアになるかで、地域性を重視するルールに従って抽選の流れが見えてくる。果たして、日本と同組になるのはランキング1位のスペインなのか、3位のオーストラリアなのか。また、どの強豪国と対戦するのか。4月29日の抽選を楽しみに待ちたい。

文=小永吉陽子

【抽選方式の説明動画】 (英語)

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