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ケビン・ポーターJr.はスター街道から一転、NBAで居場所を失ってしまった。
シアトル出身のポイントガードは昨年9月、ガールフレンドを暴行した容疑でニューヨーク警察により逮捕。過去に起こした不祥事や素行不良が度々問題視されていた同選手は、この事件を機に前所属のヒューストン・ロケッツから構想外となり、オクラホマシティ・サンダーにトレードされた後にウェイブされ、以降はNBAの球団から声がかかることはなかった。
現在、ギリシャのプロ球団であるPAOKテサロニキに在籍しているポーターJr.は、リーグ戦で4試合を消化した段階で平均20.8得点、8.3リバウンド、6.5アシストの成績を残し、チームで絶大な存在感を放っている。
4月27日に開催されたマロウシBC戦でも、22得点、12リバウンド、8アシストのダブル・ダブルをマークし、好調を維持。しかし、同選手はPAOKへの感謝と愛情を抱きながらも、依然としてアメリカで再びプレーすることを望んでいるようだ。試合後のインタビューで将来を尋ねられると、以下のコメントを伝えている。
「何が起こるかはわからないけれど、もし僕が決められる立場で、もう1年ヨーロッパに残るとしたら、他の球団でプレーしたくはない。NBAに戻る機会があれば、おそらくNBAに戻るだろう。NBAでなければ、PAOK以外の他のクラブでプレーする気はないよ」
「PAOKは僕を歓迎し、多くの人が見過ごしたチャンスを与えてくれた。心から感謝している。ここは家族であり、とても家族志向が強い。これこそ僕が殻を破るために必要だったものだから、PAOK以外のクラブで海外でプレーすることは考えられないんだ」
“If it’s not the NBA, then I don’t want to
play for no other club than PAOK”
🗣️ Kevin Porter Jr. 🤍🖤 pic.twitter.com/u8BbCqGcjn— PAOK BC (@PAOKbasketball) April 28, 2024
PAOKはポーターJr.と契約の際、同選手を“近年のNBAに登場した最も偉大な才能の1人”として紹介。契約期間はシーズン終了後までとなっており、球団社長は同選手の入団にともない、「彼が残り試合で我々を助けてくれると心から信じています。我々は自分たちの目標を決して放棄することはありません。これが我々がケビンを球団に歓迎する理由であり、一緒に強くなっていきたいと願っています」とコメントしていた。今シーズンのPAOKは、思うように勝ち星を重ねることができず、リーグ戦で12球団中7位と低迷。ポーターJr.との契約は、少しでも良いポジションでシーズンを終えるためとされている。
一時は行き場を失ったポーターJr.だけに、彼の発言からも環境への満足を感じ取れるが、逃した魚の大きさを忘れることはできないだろう。特にサラリー面では文字通り、激減と言わざるをえない。
ルーキー契約からの更新時、ポーターJr.は4年最大8250万ドル(約128億3000万円)の契約を締結していた。しかし、PAOKとの契約金はわずか1万ドル(約155万円)。2カ月の契約とはいえ、その差は選手にとっていかにNBAが収益性の高いリーグかを証明している。
果たして、若き問題児は再びNBAでプレーする機会を与えられるのだろうか。
文=Meiji
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