2021.12.14
NBAはレギュラーシーズンが終わり、プレーオフに突入する。毎年のように新たなスターが誕生するリーグは今年も例に漏れることなく、多くの選手がステップアップを遂げた。
最優秀躍進選手賞(MIP)の発表も目前に控えているが、表彰前に受賞者リストに名前の挙がっている選手の中から一部選手にスポットライトを当て、その成長ぶりを振り返ってみたい。
大きなサプライズがなければ、今シーズンのMIPはシクサーズの背番号0の手に渡るだろう。ジェームズ・ハーデンが思うようにフィットせず、ジョエル・エンビードへの依存度が高かった同球団だが、キャリア4年目を迎えたマクシーは大黒柱がケガで不在時にも大きな存在感を示した。
平均スタッツは25.9得点、3.7リバウンド、6.2アシスト。得点は昨年比で+5.6得点も向上しており、3試合で50得点以上を記録している。そして、成長はスコアリング以外にも表れており、アシストは+2.7本も増え、数字には反映されない選手としての自信やリーダーシップも感じられた。
「FanDuel」をはじめとするオッズメーカーの多くが、マクシーのMIP受賞にマイナスオッズを提示しており、個人タイトルの獲得はほぼ決定的だ。
フサフサの髪の毛と可愛らしい笑顔にファンの多いホワイトは、マイケル・ジョーダンが所持していたノースカロライナ大学のフレッシュマン得点記録を塗り替えるなど、カレッジ時代から期待されている選手だった。
ザック・ラビーンやロンゾ・ボールをケガで欠いたブルズだったが、それらの影響もあってホワイトには多くのプレータイムが与えられ、自身が貴重な存在であることを証明した。
平均19.1得点、4.5リバウンド、5.1アシストは、いずれもキャリアハイの成績。また、得意の3ポイントでは、1シーズンあたりの成功数で球団記録を樹立。フィールドゴール試投数も昨年の8.0本から15.3本に増加し、オフェンス面での飛躍は自他共に認める内容だった。
ゴールデンステイト・ウォリアーズでステフィン・カリーに教えを請うたディビンチェンゾは、今シーズンよりビラノバ大学時代の盟友であるジェイレン・ブランソン、ジョシュ・ハートとニックスで合流し、水を得た魚のようにコートを躍動した。
レギュラーシーズンは平均15.5得点、3.7リバウンド、2.7アシストをマークし、得点ではキャリアハイを大幅に更新している。また、ベイサイドで磨いた3ポイントはキャリア初の40パーセントオーバーとなり、ディフェンダーとしてのみならず、スコアラーやシューターとしてもニックスの2位にフィニッシュに大きく貢献。1試合で11本の3ポイント成功、1シーズンで283本の3ポイント成功は、いずれもニックスのフランチャイズ記録となっている。
ディビンチェンゾも間違いなく、MIP選出の議論に挙がるべき選手だったが、NBAの規定によりわずか1試合出場が足りず、対象外に。だが、今季のビラノバトリオの再結成は紛れもなくマディソン・スクエアガーデンの歴史に刻まれることだろう。
グレイソン・アレンやダンカン・ロビンソンなど、シューターとして輝いた選手もいる一方で、24歳のビッグマンは今季の大きなサプライズとなったティンバーウルブスを縁の下の力持ちとして支えた。
2019年にルイジアナ州立大学からドラフト外で加入したリードは、平均13.5得点、5.2リバウンド、1.3アシストと、いずれのスタッツでもキャリアハイをマーク。また、持ち前のストレッチ性に磨きがかかり、ビッグマンながら3ポイント成功率41.4パーセントという驚異的な確率を叩き出し、得点源としてはもちろんのこと、アンソニー・エドワーズをはじめとするアタッカーたちにスペースを生み出した。
3月初旬以降、カール・アンソニー・タウンズをケガで欠いたウルブスだが、ストレッチフォーを維持できたのは紛れもなく、この男の存在のおかげでだろう。
文=Meiji
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