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レギュラーシーズン18試合を戦って姫路イーグレッツのスコアリーダーは1試合平均で15.06点をマークしている石牧葵(1月3日現在)。昨シーズンもアーリーエントリーとして12試合に出場したが、今シーズンがWリーグ1年目となるルーキーだ。
だが、石牧自身は得点について「自分のできることは、ディフェンスとリバウンド。それにプラスして点を取ることができたらいいなと思っているので、得点面でのこだわりは、そこまでないです」と言う。
姫路は、昨シーズンがWリーグ参戦1年目。そのシーズンでは白崎みなみがエースとして君臨し、シーズンの得点王にも輝く活躍を見せた。しかし、その白崎が今シーズンよりシャンソン化粧品シャンソンVマジックに移籍。そのため、参戦2年目となる今シーズンは、指揮官が掲げた「一人に頼るのではなく、みんなで攻めるバスケット」をもとにここまで戦ってきたと石牧はいう。そういった経緯があるからこそ、石牧は得点にこだわることなく、チームの状況を見ながらその時々で自分のできることにフォーカスしてきたのだろう。
しかし、18試合を戦って石牧の気持ちにも変化があるようで、「私の得点がチームのみんなからも評価されて、私がシュートを打つようなセットオフェンスも考えてくださっています。そういう役割を任された以上、試合ではもっとシュートを決めていかないといけないと思っています」と前向きだ。
芽生えてきたポイントゲッターとして意識。そんな石牧に対して対戦相手もハードなディフェンスを施す。「点が取れるようになってからは、(相手ディフェンスが)しっかりついてきたり、ボールも持たせないようにしたりしているなと感じています。その分、アシストを増やせていけたらいいなと思っているのですが、まだまだアシストを出せていないので、勉強中です」と、石牧。今は成功も失敗も様々な経験をしながらエースとしての階段を登っている最中と言えるだろう。
そのような中、1月2、3日では前回覇者のENEOSサンフラワーズと対戦。2戦とも敗れたが、1戦目では石牧自身は22得点を奪取した。それでも、2戦目は激しいディフェンスに苦戦し4得点。「1戦目は少し戦えた手応えがあったのですが、ENEOSは切り替えが早くて、体力の面や最後の粘り、ルーズボールでも、もう一踏ん張りも二踏ん張りもしないといけないと感じました」と、2連戦を振り返る。
一方で、「ENEOSと体の面や走力などでも差を感じたので、ここで短期間(試合が)空くので、その間の2カ月ぐらい、また体づくりなどを一からやり直したいと思います。すごくいい勉強になりました」と、ENEOSとの対戦は多くの気づきも得ることとなった。
石牧は、浜松開誠館高校(静岡県)や愛知学泉大学で主軸を担い、得点源として全国の舞台で活躍。U18、19女子日本代表として国際大会にも出場した。
アンダーカテゴリーでのキャリアもあるシューティングガードは、今年24歳となる年女。U18、19女子日本代表でチームメートだった東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)とは同級生でもある。
「今シーズンからWリーグに入りましたが、高校を卒業して先にWリーグでプレーしている(東藤)なな子たちと同じ舞台というか、一緒にコートで試合をできるのは本当に楽しいです。同じように大学卒業後にWリーグに入った選手たちも含めて刺激を受けます」と、笑顔を見せる。
文・写真=田島早苗