2019.11.22

車いすバスケU23京谷ジャパン、カナダを破り白星発進!

国際車いすバスケットボール大会「北九州チャンピオンズカップ」が開幕[写真]=斎藤寿子
新潟県出身。大学卒業後、業界紙、編集プロダクションを経て、2006年よりスポーツ専門ウェブサイトで記事を執筆。2011年よりパラリンピック競技を中心に、国内外で精力的に活動を開始。パラリンピックは12年ロンドン、16年リオ、18年平昌、アジアパラ競技大会も14年仁川、18年ジャカルタの各大会をカバーした。

 11月22日、北九州市立総合体育館にて国際車いすバスケットボール大会「北九州チャンピオンズカップ」が開幕した。若手選手にとって国際大会の経験を積み、自らのプレーをアピールする貴重な場である今大会には日本、オーストラリア、カナダ、ドイツの4カ国が参加。いずれも10、20代の若手でチーム編成されている。2大会ぶりの優勝を目指す日本は、U23世代の選手たちが顔をそろえた。その日本は初戦でカナダと対戦し、2016年からチームを指揮する京谷和幸ヘッドコーチが最も重視するディフェンスで試合の主導権を握り57-34で快勝。2大会ぶりの優勝に向けて好発進した。

逆転の原動力となった好守備

 初戦の相手、カナダは20代半ばの選手を半数そろえ、今大会の4カ国で最も平均年齢が高いチーム。夏にはトロントにあるナショナルトレーニングセンターでトレーニングを行ってきたという。そのカナダに対し、今大会がU23世代のチームとしての参加が最後となる古澤拓也が、“置き土産”とばかりに試合開始早々に3ポイントシュートを決めてみせた。しかし、その後は得点を重ねていくカナダとは裏腹に、日本は古澤の3ポイント以降、追加点を奪うことができなかった。

 そんな悪い流れを払拭したのが、途中交代した鳥海連志と赤石竜我だ。同じ持ち点2.5でシニア代表でもある2人は、ともにスピードを活かしたアグレッシブなディフェンスでコート上の空気を一変させた。そんな2人にならうかのように、日本は持ち味である強固なディフェンス力を発揮した。ボールマンに対して素早く、粘り強くジャンプアップ。お互いにスイッチし、カバーし合いながら相手をインサイドから締め出した。アウトサイド一辺倒の攻撃を余儀なくされたカナダは、徐々に得点力が落ちていった。

流れを変えた赤石[写真]=斎藤寿子

 一方、ディフェンスでリズムを取り戻した日本は、古澤を中心に得点を挙げて猛追し、14-15と1点差で第1クォーターを終えた。すると、第2クォーターではさらに日本のディフェンスが光り、カナダを無失点に抑えてみせた。

次世代を担う10代の知野と古崎が躍動

 そして、第3クォーターではこの日初めてコートに立った熊谷悟と知野光希が躍動した。

 23歳の熊谷もまた、今年で最後のU23での活動となる。多くの同世代が昨年のU23世界選手権での活躍をきっかけにシニア代表でも主力となり大きく羽ばたいた。そんな彼らに続き、シニアへの昇格を目指す熊谷は、得意のミドルシュートを立て続けに決めて最大限にアピールした。

熊谷は今年で最後のU23での活動となる[写真]=斎藤寿子

 チーム最年少・高校3年生18歳の知野は、ディフェンスで魅せた。一瞬の隙も与えない知野の粘り強いディフェンスに、思わずトラベリングを犯してしまうほどに相手は苦戦を強いられていた。そんな知野のプレーについて、指揮官も「戦ううえで最も大事な闘争心を一番見せてくれた」と称えた。そして「これからは自分たちの時代だ」と言わんばかりに、知野にも劣らない活躍で存在感をアピールしたのが、同じ18歳の古崎倫太朗だ。「今日はシュートタッチがとても良かった」という古崎は、第4クォーターのスタートから出場すると、両サイドから次々とミドルシュートを決めていった。古崎は16得点中10得点を叩きだし、チームを勢いづけた。

 最後の残り4分、京谷HCは、その古崎と国際大会初出場の宮本涼平を残し、ベンチからは赤石、鳥海、髙柗義伸を投入した。2021年U23世界選手権で、ベンチに残る知野も含めて主力として世界と戦うことが期待される世代に最後を託したのだ。その指揮官の期待に応え、5人がそれぞれの役割をしっかりと果たしてリードを広げた日本は、57-34とカナダに快勝した。

「ディフェンスで世界に勝つ」

 そう言い続けてきた京谷HCの狙いどおり、ディフェンスで相手を圧倒した日本。大会2日目には“超ビッグマン”を擁するオーストラリアに挑む。

オーストラリア戦もディフェンスから主導権を握りたい[写真]=斎藤寿子

文・写真=斎藤寿子