2018.11.18

元祖キラークロスオーバーと恐れられたティム・ハーダウェイ「俺が史上最高の使い手」

主に1990年代のNBAで活躍したハーダウェイ[写真]=Getty Images
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「ほかの選手はクロスオーバーでボールを持ち運んでるだけ」と言及

 NBAにはこれまで、クロスオーバードリブルの達人が数多くいた。

 アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)やマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)、マヌ・ジノビリ(元サンアントニオ・スパーズ)、KDことケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)、クリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)にドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート)など、現役にも数多くの破壊力抜群の使い手が存在する。

 そんな中、“元祖キラークロスオーバー”として相手チームに恐れられた男を覚えているだろうか。

 男の名はティム・ハーダウェイ(元ウォリアーズほか)。183センチ79キロと屈強な体格を持ったハーダウェイは、主にウォリアーズ在籍時にキレ味鋭いキラークロスオーバーを駆使して相手ディフェンス陣を崩壊。数多くの得点とアシストを残してきた。「分かっていても止められない」と言われるほど、左右への切り返しが素早く、電光石火のごとくリムへと向かっていったのである。

 ハーダウェイは1989-90シーズンにNBAデビューを果たし、平均20得点10アシスト以上を2度も記録。93年10月に左膝に重傷を負ってしまい、翌93-94シーズンを全休。その後96年2月にトレードでヒートへ移籍した。

 ヒートではウォリアーズ時代のように切れ味抜群のクロスオーバーを頻繁に繰り出すことはなかったものの、要所で往年の輝きを見せつけ、97年にはオールNBAファーストチームに選出。強気なゲームメイクと勝負強いショットでヒートをけん引していった。

決定力抜群の3ポイントは、ヒートの窮地を幾度となく救った[写真]=Getty Images

 2003年に現役を引退してから約15年が経過した今年11月、ハーダウェイはインドでNBAのプロモーションイベントに登場し、『Sportskeeda』の取材に対応。その中で、興味深いことを口にしていたので紹介していこう。

 まず、自身のクロスオーバーが史上最強のクロスオーバーかと聞かれたハーダウェイは「疑う余地もない。俺のクロスオーバーは他の誰よりもすごいものだ。誰がどう思っていようがね」と自信満々に切り返した。「ほかの選手たちはボールを持ち運んでいるだろ。でも俺はそうじゃない。俺は毎回、リムへ持ち込もうとトライしていたんだ。あれはすごくエナジーを消耗したものさ」と続けた。

キラークロスオーバードリブルで一世を風靡したハーダウェイ[写真]=Getty Images

KDを「アンストッパブルな選手」と評し、最大級の賛辞を送ったレジェンド

 また、現役屈指のボールハンドラーとして知られるカイリーとステフィン・カリー(ウォリアーズ)について聞かれると、ハーダウェイはこうコメントしている。

 「カイリーだ! 彼のほうがステフよりも良いハンドラーだ。彼はボールを持って数多くのムーブを繰り出すことができる。ステフにはできないほどのものをね」。

 ちなみに、ハーダウェイは昨季までスタン・バン・ガンディHCの下、ピストンズで4シーズンもの間、アシスタントコーチを務めてきた。そこで「NBAファイナル第7戦、残り10秒で同点の場面でどの選手にショットを託しますか?」という質問を受けたハーダウェイは、迷うことなくケビン・デュラントの名を挙げている。

 「ケビン・デュラントだ。彼がローポストから放つミドルレンジジャンパーを止めることができる選手はいない。彼はリーグで唯一のアンストッパブルプレーヤーだ」。

 ハーダウェイはデュラントを高く評価しており、「ウォリアーズは今季も優勝するだろう」と語っただけでなく、「もしデュラントがウォリアーズでプレーしているのならば、今後3年間も優勝することができる。もしデュラント抜きとなれば、彼らは優勝することができないと俺は見ている。彼ら(ウォリアーズ)もそれを知ってるはずだ」と続けた。

過去2年連続でファイナルMVPを獲得してきたデュラント。そのシュート力は歴代有数のものを持つ[写真]=Getty Images

 今季終了後、プレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることができる権利を持つデュラントは、今季終了後にウォリアーズを退団すると何度も報じられており、今後の去就が注目されている。

 もし今季も優勝できるのであれば、ウォリアーズの選手以外で3連覇を達成した選手が現役に不在のため、デュラントは押しも押されもせぬ実績を残すことができる。00年から02年にかけて達成したレイカーズ以降、NBAでは3連覇を達成したチームが不在のため、デュラントは今季をキャリアの分岐点の1つと見ているのかもしれない。

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