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ゴールデンステイト・ウォリアーズの指揮官を務めるスティーブ・カーHCは、現役時代に1995-96シーズンからシカゴ・ブルズで3連覇を達成した経験を持つ。
当時のブルズにはマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピペン(共に元ブルズほか)、デニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)、トニー・クーコッチやロン・ハーパー(共に元ブルズほか)といった選手がおり、驚異的な強さを誇っていた。
今年のプレーオフで、カーHCは指揮官として3連覇を目指して戦っているのだが、NBAで3連覇することについて、地元メディア『95.7 The Game』へ語っていたので紹介したい。
「NBAで指揮を執ったことがあるコーチならば、誰もがその難しさについて同意してくれると思う。私は現役時代にシカゴで感じたのは、3年目というのは最初の年よりものすごくタフだったということ。すべてのチームが僕らに向かって襲い掛かってくるんだからね。ライバルチームは自分たちを倒す計画を練って挑んでくる。2年前、我々(ウォリアーズ)はきわめてスムーズにプレーオフを駆け抜けることができた。でも昨年は(ヒューストン・)ロケッツと第7戦まで戦っていた。簡単な道のりになることは決してない。ほんの2年前は比較的イージーに見えたかもしれない。でも今、ここまで困難な状況になるとは思い描いていなかった」。
90年代後期における3連覇は、95-96シーズンから始まった。このシーズン、ブルズは当時リーグ最多勝記録を更新するシーズン72勝10敗を記録し、プレーオフでもイースタン・カンファレンスをわずか1敗で乗り切り、NBAファイナルではシアトル・スーパーソニックスを4勝2敗で下して優勝。
翌96-97シーズンも、ブルズは69勝13敗という申し分ない成績を残し、2敗でイーストを駆け上がると、ユタ・ジャズ相手に6戦で勝利して2連覇を成し遂げた。
だが3年目の97-98シーズンは開幕からピペンがケガで出遅れ、トレード志願が報じられるなど苦しんだ。それでも、ジョーダンを中心に後半戦で巻き返し、ジャズと並んでリーグトップタイの62勝20敗を挙げてイーストトップでプレーオフへ臨んだ。
プレーオフではインディアナ・ペイサーズとのイースト決勝で最終戦までもつれる大激戦。ファイナルでも初戦を落とし、ピペンが背中のケガなどで満身創痍という厳しい状況だった。だがジョーダンの超人的な活躍もあり、4勝2敗でジャズを下して3連覇を達成している。
NBA史上4チーム目となる3連覇を目指すカーHC率いるウォリアーズは、一昨季のプレーオフを16勝1敗で駆け抜け、プレーオフにおけるNBA史上最高勝率(94.1パーセント)をマーク。だが昨季は1回戦、ウエスト準決勝をいずれも5戦で勝ち上がるも、ウエスト決勝でロケッツ相手に2勝3敗と追い込まれる窮地に。それでも、最後の2戦をいずれも後半に逆転してファイナルへと進み、クリーブランド・キャバリアーズを4戦無敗で退けて2連覇。
今年のプレーオフでは、1回戦でロサンゼルス・クリッパーズを6戦で下すも、ロケッツとのウエスト準決勝は4戦を終えて2勝2敗。5月9日(現地時間8日)に行われたシリーズ第5戦を104-99で逃げ切り、カンファレンス・ファイナル進出へ王手をかけた。
だが、この試合の第3クォーター残り約2分、ベースライン右側からプルアップジャンパーを決めたKDことケビン・デュラントが、右アキレス腱あたりを押さえていた時、誰もが「アキレス腱断裂か……」という悪夢が脳裏をよぎったに違いない。幸い、右ふくらはぎの肉離れという診断で、最悪の事態こそ回避できたものの、今後のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性を秘めている。
ロケッツとの消耗戦とも言えるシリーズはまだ続いていく。ファイナルではイーストを勝ち上がったチームが意気揚々と優勝を目指して立ち向かってくるだけに、カーHCの言葉どおり、険しい道のりが待っているに違いない。
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