2020.02.04
10月8日と10日にさいたまスーパーアリーナで行われた「NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten」(以降、ジャパンゲームズ)で、ヒューストン・ロケッツのクリント・カペラは2試合とも先発センターとしてコートに立った。
ロケッツにはジェームズ・ハーデンというリーグ最高級のオフェンシブプレーヤーがおり、プレーメイカーとしても君臨している。カペラはピック&ロールやハーフコートオフェンスにおいて、リング下でパスの受け手として活躍しており、昨季ハーデンがカペラへ配球したアシスト数(220本)はリーグトップと、抜群の相性を見せていた。
トロント・ラプターズとのジャパンゲームズは、ロケッツにとってプレシーズン3試合目となったものの、新加入のラッセル・ウェストブルックがコートに立ったのはロケッツ加入後初。NBA史上最高級の万能型ポイントガードは、持ち前の爆発力を発揮し、コート上で輝きを放っていたことは、ロケッツにとって大きな収穫だったと言っていい。
第2戦に勝利したロケッツのカペラは、試合終了後の囲み取材で、ハーデンとウェストブルックのパスについてこう語っていた。
「2人はとても良い選手であり、視野がものすごく広いです。ロブパスもできますし、試合のペースもコントロールすることができます。特にラスはすごく速くて、一緒にプレーするのが初めてでしたが、ファストブレイク時にどれぐらいのスピードを持っていたかを忘れてしまうほどでした。僕も勝つことが好きなので、彼のような選手がいればジェームズを少しは休ませることもできますし、チームの利益になります」。
カペラは第2戦でハーデン、ウェストブルックのアシストから豪快なアリウープダンクをたたき込むなど会場を沸かせていた。ジャパンゲームズの2試合で計22得点13リバウンド5ブロック(平均11.0得点6.5リバウンド2.5ブロック)を残し、ロケッツ不動の先発センターとして持ち味を十二分に発揮していた。
今夏、ロケッツはカペラのバックアップ役として、ネネと再契約を結んだほか、大ベテランのタイソン・チャンドラーとも契約。キャリア19年目のチャンドラーは、これまでのキャリアでNBAチャンピオン(2011年のダラス・マーベリックス)、最優秀守備選手賞(2012年/ニューヨーク・ニックス在籍時)を獲得してきた実績を持つ。
チャンドラーがいるメリットとして、カペラは「すごくいいベテラン選手です。バスケットボールというゲームを熟知していますし、大舞台に出て優勝もしています。いつもベンチで声援を送っていて、いつでもアドバイスをくれます。何をやるべきなのかを常に理解していることがすごいですね。彼は(このチームに)来てから練習や試合で改善できるポイントをよく提言していますので、僕は最高だと思います」と語っている。
練習でマッチアップする機会も多いチャンドラー。カペラは大ベテランから受けたアドバイスについて聞かれると、「全体的にですが、特にメンタルな部分です。お互い良く話すのはディフェンスでコミュニケーションを取り続けること。チームのアンカーになるには存在感が必要だと彼は良く言います」と明かしていた。
また、キャリア13年のベテランフォワード、タボ・セフォローシャについては「タボはできることの全てをやっています。新加入の選手が多いので、短期間で連係を高めているところです。チームとして理想の状態にたどり着くには数か月かかりますので、次のステップや次の練習に集中することが大切です。練習を重ねてコミュニケーションを重点的に鍛えていく必要があります」とカペラは見ていた。
ベテランたちのアドバイスを受けて、レギュラーシーズンに向けて準備を続けるカペラだが、5日から約1週間の滞在となった日本も楽しんでいたようだ。「(日本では)街を歩いたりしました。今まで日本に来る機会がなかったので1つの夢でした。あと、僕は『(ワイルドスピード×3)TOKYO DRIFT』が好きだし、いっぱい食べ物があって、今回色々と見ることができて良かったです」とカペラ。
記者から「また戻ってきますか?」と聞かれると、カペラは「もちろん。また戻ってくるのを楽しみにしています」と口にし、日本への遠征を楽しんでいることが伺えた。
9月下旬に行われた日本のメディアとの合同電話インタビューで、マイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)が「カペラはキャリアベストのシーズンを送ることになるかもしれないね」と期待を寄せていたように、25歳のビッグマンは今季もロケッツに不可欠な存在として活躍することが求められている。
今季ロケッツが覇権争いを繰り広げるうえで、カペラの攻防両面に渡る安定した活躍は、大きなカギになりそうだ。
文=秋山裕之
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