2023.10.29
NBAドラフトは、上位指名が必ずしも初年度から活躍するわけではない。毎年、中順以下の指名からサプライズを起こしてくれる選手が現れるのが常である。
昨年であれば、21位のブランドン・クラーク(メンフィス・グリズリーズ)や41位のエリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)らがいい例であり、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)は2014年の41位、ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)は2012年の35位指名だった。
そこで、以下では今一度NBAドラフト2020の指名順位を振り返り、お買い得になりうる選手たちをピックアップしていく。
ノースカロライナ進学後も、デビュー戦で34得点とカレッジの新人得点記録を更新し、3試合連続で20得点オーバーをマーク。しかし、ケガからの復帰後、個人としては上々の成績を残すも、チームに勝利を呼び込むことができず、次第に評価が低下。その結果、指名順位は15位と、かつての予想を大きく下回ってのNBA入りとなった。
しかし、シュートメイキングのセンスとエリアを問わない得点能力は、マジックの低調なオフェンスのカンフル剤となることだろう。アンソニーは将来的に、カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)やトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)に匹敵するスコアリングガードになる可能性を秘めている。
ハンプトンは、ラメロ・ボールと同じく、大学進学をせずにNBLへの挑戦を選択。ニュージーランド・ブレイカーズでは、平均8.8得点、3.9リバウンド、2.4アシストと卓越したスタッツを残せたわけではないが、プレータイムが平均20.6分(ボールは平均31.2分で17得点)であることと、フィールドゴール成功率が40パーセント超えであることを考慮すれば、決して悪くないプロデビューだったように思える。
ハンプトンは高校の最終学年で平均32.0得点、ナイキが主催する「エリート・ユース・バスケットボール・リーグ(EYBL)でも平均24.6得点と、持ち前の運動能力の高さを活かした得点力に定評のあるコンボガードだ。さらに、マイアミ・ヒートで2度のNBAチャンピオンを経験したマイク・ミラーとのトレーニングにより、ジャンプショットの性能が格段に向上しているという。
デビューから5年間の選手価値を測定する「ESPN」のケビン・ペルトンの統計モデルによると、ハンプトンはルーキー全体で8位にランクイン。下馬評を覆し、ジャマール・マレーを支える得点源として存在感を示すかもしれない。
テリーのコートビジョンは、チームのエース、ルカ・ドンチッチと抜群の相性を発揮するかもしれない。テリーの最大のストロングポイントは、思い切りのいいスリーポイントだ。ワンドリブルを噛ませてからのショットはリズムがよく、ペリメーターからキャッチ&シュートを選択することも可能。何より、成功率40パーセント超えの確率の良さは、即戦力として換算することができる。
また、ハンドリングも滑らかで、ガードとして周囲を活かすプレーも及第点以上。さらに、このオフで約7kgの増量に成功し、弱点とされていたフィジカル面も改善傾向にある。
ちなみに、『The Ringer』のケビン・オコナーは、テリーをルーキー全体の第8位に位置付けていた。来年、1巡目で指名し損ねた球団は、大きな後悔することになるかもしれない。
シエラ・キャニオン高校在籍当時、スタンリーはケニオン・マーティン・ジュニアやスコッティ・ピペン・ジュニアの在籍するチームでエースを担っていた。その結果、同選手はデューク大学にリクルートされ、平均12.6得点、4.9リバウンドをマークし、ACCオールフレッシュマンチームにも選出されている。
スタンリーは、驚異的なアスレチック性能が最大の武器である。NBAドラフトコンバインの垂直跳びでは、参加選手トップとなる111.76センチをマーク。コートの3/4を走るスプリントテストでも全体4位にランクインし、ただのジャンパーでないことを証明した。
ニック・ナースの右腕として優勝を経験し、ペイサーズの新監督に就任したネイト・ビョルクレンは、オフェンス面でよりアグレッシブさを追求していくことを公言している。トランジションでその才能を発揮するスタンリーはきっと、ペイサーズの新たなオフェンスシステムにフィットするに違いない。
文=Meiji
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