2020.09.11

【Wリーグ開幕特集/注目選手】東京羽田ヴィッキーズ・本橋菜子「自分たちのバスケットをすれば目標のベスト4までいける」

チームの窮地を救う働きを見せる本橋菜子
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取材・文=田島早苗
写真=Wリーグ、バスケットボールキング編集部

 9月18日より開幕する第22回Wリーグ。先シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響で中断となり、公式戦は今年2月23日以来となる。バスケットボールキングでは新たに始まるシーズンに向け、全12チームの注目選手にインタビューを行い、シーズンに向けての思いを聞いた。

 第15回は昨シーズンのレギュラーシーズン8位の東京羽田ヴィッキーズ。名実ともにチームのエースであり、日本代表でもアジアカップ優勝に貢献した司令塔の本橋菜子は、チームを高みへと押し上げる。

――レギュラーシーズン8位となった昨シーズンはチームにとってどのようなシーズンだったのでしょうか。
本橋 開幕戦で負けからのスタートとなってしまい(山梨クィーンビーズに敗退)、みんなが「このままではダメだ」という気持ちで、練習からもう一度見つめ直しました。そこから1試合ずつチームとして成長できたシーズンだったと思います。

――どういったところが良くなっていったと感じましたか?
本橋 後半になるにつれ、やるべきところの徹底ができるようになっていきました。特にディフェンスからリングに向かっていくという自分たちのやりたいバスケットができていたと感じています。2日連続での試合では、1日目の反省点を2日目にすぐ修正できていたということも大きかったと思いますね。

――本橋選手自身は、昨シーズン、開幕前の「FIBA女子アジアカップ」で日本の優勝に貢献し、MVPも獲得しました。その中でマークも厳しいシーズンだったと思います。
本橋 試合会場などでチームが作ってくれた(アジアMVPなどの)横断幕を見ると、身が引き締まる思いがありました。注目されている分、応援してくれている人の期待に応えないといけないと思って臨んでいました。

――日本代表の大会も多いシーズンでした。
本橋 開幕前はチームに合流しての練習回数が少なく、シーズンに向けた準備がなかなかできなかったことはありました。それとシーズン途中に日本代表の活動もあったので、心身ともにモチベーションを維持することの難しさは正直ありました。そこで自分自身の調子が途中でグッと落ち、うまく波に乗れずにチームにも迷惑をかけたことは反省点です。私が崩れたらダメになってしまうという責任もあるので、今シーズンはそこを乗り越えていきたいです。

――日本代表の話でいうと、オリンピックが延期になったことはどう受け止めていますか?
本橋 最初はやりたかったなという思いが強かったのです。でも、今は気持ちを切り替えて、来年に向けてさらにステップアップするための準備期間だと前向きに捉えています。

――さて、今シーズンのチームは若手の選手が多いです。
本橋 若いチームだからこそ、怖いもの知らずではないですが、積極的に向かっていき、チームとして勢いに乗れたらいいなと思います。

――本橋選手自身の役割にそれまでと比べて大きな変化というのはないですか?
本橋 今シーズンはキャプテンが奥田花になり、そこに関しては、いい意味で気持ちが楽になりました。プレーの面でチームを引っ張っていかなければいけないということは常に思っていますが、キャプテンが奥田になったことで、自由というか、余裕を持つことができると思います。その分、チームに良い影響を与えられるようにしたいですね。

 軸丸ひかるをはじめとするルーキーたちも含めて、東京羽田はいろんな選手が入れ替わりで試合に出ると思います。全員で戦っていけるチームになると私自身も期待しています。

――最後に今シーズンに向けての抱負をお願いします。
本橋 昨シーズンはプレーオフに向けて、チームが一つになって良い準備ができていました。「たられば」ではありますが、(シーズンが継続されていたら)いいところまでいけたのではないかなという思いもあります。

 今シーズンは昨シーズンからメンバーも変わりますが、自分たちのバスケットをすれば絶対に目標のベスト4までいけると思っているので、そこに向けて頑張っていきたいです。

攻撃型ガードである本橋が東京羽田を引っ張る[写真]=Wリーグ

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